今月の『流白浪燦星(ルパン三世)』で私たち囚人が屯している聚楽第の牢獄の中。

 

今日はネタバレ満載ですので、ご注意ください。

 

 


前の場面で銭形刑部に捕まって牢屋に入れられたはずの次元大介がなぜか、

牢屋には居らず牢番に化けております。

そして五エ門が捕らえられて牢獄に入ると、なぜかそこには

もう一人の次元大介が・・・(笑)

正直、この次元大介、本物とは似ても似つかぬ人物なのですが、
「私は次元と違う!」と云う男に五エ門までもが

「見損なったぞ、次元大介」と云い放します。

偽物の次元大介はなぜか大阪弁で喋っておりますが、誰もが次元だと疑いません
それもそのはず、牢名主の長老から私の頭、牢屋の囚人全てが
次元大介と祭り上げたこの男。

最後には五エ門までも偽物にすり替えられ役人によって刑場へ引き出され
二人とも釜茹での刑に処せられる、本当は気の毒な人たちなのです(笑)

この男が牢内で何をやって長老の逆鱗に触れて次元に祭り上げられたか?
謎は謎のままですが、これで本物の五エ門と次元大介が助かった訳ですから
歌舞伎はあまり詮索しないで良しとしましょう(笑)




この偽物の次元大介に扮しているのは上方歌舞伎界でも異色の人物、
片岡千壽さんです。




ちなみに、大阪弁を操ると申しましたが、実は大阪弁以外にもいくつかの

バージョンがありまして、初日近辺は私たち牢屋の人間たちも

その日には何バージョンが飛び出すか、楽しみに聞いておりました。

 

最近は、大阪弁バージョンに落ち着いてきているでしょうか。

 



2幕の幕開きでは複製(クローン)人間、通人の萬望軒に扮し

巧みな話術でお客様を楽しませております(笑)

大阪弁を操る偽物の次元大介と云い、通人の萬望軒と云い独特のキャラクターですね。
ご観劇の際は彼の独特な印象にもご注目下さいませ。