今日は休演日です、そこで日本橋三越で先日まで開催していた「歌舞伎衣裳展」を
少し紹介させて頂きます。

撮影可でしたので撮らせて頂きました。

展示されていたものは少なかったのですが、どれも貴重なものばかり。
入ってすぐの所には「藤娘」潮来の振りの時の衣裳が展示されていました。



この柄の衣裳は私も翔の会の「藤娘」の時に着せて頂きました。

その横にありました三越所蔵の藤娘の衣裳はなんと六代目尾上菊五郎さんが
お召しになった衣裳だそうです。



萌黄紅縮緬片身替 藤花文様打掛

貴重ですね。

そして白浪五人男の衣裳も・・・。


これは日本駄右衛門の衣裳です。


左が松竹衣裳のおそらく今も現役の衣裳、右が三越所蔵の物。

柄は紫縮緬 磁石碇綱 立浪柄が描かれております。
白浪五人男の稲瀬川勢揃いの時の衣裳ですね。

他の四人の柄も詳しく書かれておりました。


そして「助六所縁江戸桜」の髭の意休の衣裳も展示されておりました。



木綿地龍丸入 格子文様羽織、着付

これは高麗屋さん系の衣裳で 左側のこちらも三越所蔵のものは、

七代目松本幸四郎さんが昭和4年の歌舞伎座で来ておられた衣裳だそうです。


同じく「助六」の髭の意休の衣裳


右側が松竹衣裳の衣裳
海老茶繻子地雲龍 立浪縫白繻子 裾共附付着付、共羽織

左側は、三越所蔵
赤茶繻子地 雲龍波濤文様羽織、着付

こちらは二代目市川段四郎さんが1855年から1922年までの公演で
着ておられた衣裳だそうです。

同じお役なのにお家によって柄がまったく違うのが面白いですね。


このように、三越所蔵の昔の衣裳と現在の現役の松竹衣裳の衣裳が

並んで展示されておりまして、なかなか興味深いものでした。

また現在の衣裳よりも過去の方のはひと回りか二回り小さいように感じます。
昔と今では体つきがやはり違ったのでしょうね。


もうすでにこの世に居られない方たちの衣裳ですが、歌舞伎と云うのは
その生きておられた時の息吹が感じられるのが凄いです。

全部はご紹介できませんでしたが、とても貴重な衣裳を見せて頂きました。