今月の初め、8月歌舞伎座、9月南座で「新・水滸伝」が上演されると
発表がありました。


この作品はちょっと変わった経緯で出来上がった作品です。
 

初演が2008年8月、ル・テアトル銀座で上演されました。
もうありませんが、どちらかと云うと小さな劇場です。

(お稽古状況 初日からのブログは2008年8月の記事をご覧ください。)


この時はまだスーパー歌舞伎と云う作り方ではありませんでした。

上演時間もたしか1時間50分ほどの短い一幕のものでした。
内容は「水滸伝」の梁山泊をベースにして、その中に登場する人物を

新劇風に21世紀歌舞伎組のメンバー一人一人に当て書きされた作品でした。

ですからいろんな意味で一人一人に見せ場があり、新劇風にお話が進んで参りました。

ただ劇場の狭さと、時間の短さ、後予算的に・・・大人の事情もありまして(笑)

猿翁旦那の新作であるにも関わらず、スペクタクルな場面もなく大立ち回りもなし。
その小規模な作品に 旦那もちょっと物足らなさを感じておられました。

そう云う少し不完全燃焼な部分もあったのでしょう。
2011年6月に中日劇場での再演が決まった時、猿翁旦那の依頼を受け
横内謙介先生が改めて書き直され・・・と云うより大凧の宙乗りや

大立ち回りなどを書き加えられ、さらに全員で歌うと云う珍しい演出もでき、

新たに2幕ものの長編として大きな物語へと発展しました。


その後好評を経て2013年8月大阪新歌舞伎座での再々演となったのです。

 

これで終わりかと思いのほか・・・

まさかまさかの2015年8月大阪新歌舞伎座にて再々再演



私は4回とも梁山泊の実質的首領の宋江を勤めさせて頂きましたが、
どちらかと云うと慎重すぎて「ヘタレ宋江」と云うイメージになりました(笑)

・・・あて書き・・・ですよね。横内先生・・・(笑)

ヘタレ・・・ヘタレ・・・

 

手術前に散散ビビりましたので、間違えていないのかも知れませんが・・・ヘタレ。



今回は新たに猿之助さんのお考えの「新・水滸伝」ですから梁山泊のメンバーも一新、
物語は一緒でも全く違う作品となるでしょうね。

考えてみるとスーパー歌舞伎の「新・三国志」は3幕物が長すぎて2幕となりましたが、
「新・水滸伝」は1幕物が物足らなくての2幕へと発展しました。

現在の上演方法、歌舞伎座の3部制や京都南座で上演するには
2幕物がちょうどいいのかも知れません

 

東京に戻って参りますのは、15年ぶり。

15年ですが、すでに再演以降は別物のように進化しておりました。

それからさらに 猿之助さんの手が入りますので、全く違った作品に

なるのではないかと思います。

 


私はまだ出演できるかどうかはわかりませんが、

「新・水滸伝」楽しみに致しております