今日から11月歌舞伎座の夜の部「助六由縁江戸桜」の白玉に玉三郎さんが
登場される事は朝のブログで書かせて頂きました。
満を持しての登場ですね(笑)

「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」と云う狂言名題は
成田屋のお家しか使う事が許されません



助六の登場時、出端(では)と申しますが三浦屋の御簾うちに十寸見会の河東節と云われる
ご贔屓筋の方たちが演奏と共に唄われます。

これは江戸時代からの習わしでこの河東節は成田屋だけのもの。

他のお家の方が「助六」を勤める時は、菊五郎さんの音羽屋系は清元を使い、
外題も「助六曲輪菊(すけろくくるわのももよぐさ)」となります。

だいぶ前になりますが菊五郎さんの襲名披露公演の時はこの狂言名題でした。


また猿翁旦那が「助六」を勤められた時は長唄を用いて狂言名題は
「助六曲輪澤瀉桜(すけろくくるわのいえざくら)」となり、
仁左衛門さんの時も同じく長唄で「助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつさくら)」
となります。

「助六」の演目ひとつでも登場時の演奏で様々なお家の演じ方がございます。
あとの筋はおおむね一緒ですが、この「助六由縁江戸桜」今回も2時間の長丁場です。

しかし通して上演されますと3時間は優に超える超大作なのです。

助六実は曽我五郎が源氏の宝刀友切丸を探すために吉原で色んな人に喧嘩を売って
刀を抜かせて友切丸を探すと云うお話。

筋そのものは単純なのですが、助六の着ている着物や江戸紫と云われる病鉢巻
傾城たちの着物等々、江戸の文化「粋」と云うものが悉く舞台化されている傑作ですね。



今回の襲名披露公演の「助六由縁江戸桜」はもちろん成田屋さんの十八番。
来月もこの演目はつづいて上演されますが配役がガラッと変わります。

2ヶ月連続でご覧になっても面白いと思います。

余談ですがお寿司に「助六」というものがございます。
これはいなり寿司と巻き寿司で詰められており揚げと巻、
つまり傾城「揚巻」にちなんだ名称ですね(笑)

 

以前は「助六」を見ながら「助六」を食べられたのですが、

今は休憩時間でないと食べられませんね(笑)