歌舞伎座『芸術祭10月大歌舞伎』の第1部に「鬼揃紅葉狩」が上演されております。

猿之助さんの更科の前、実は戸隠の鬼女の前回は2012年2月の博多座ですから
実に10年ぶりの再演ですか? ずいぶん経ちましたね。

この10年前の博多座公演では私も侍女ぬるで実ハ鬼女の一人として
猿之助さんと同じ舞台に立たせて頂いておりました。

ですが、後ジテの猿之助さんの戸隠の鬼女と若い人たちの鬼女に交じって
私の鬼女はだいぶ年上(笑)

立ち回りや毛振りは相当くたびれました、今はでもう無理ですね(笑)
この時で還暦を迎える年でした。
猿之助さんもよくやらせてくださったものです。

 



これより前に猿翁旦那の「鬼揃紅葉狩」でも私、鬼女の一人として
出演したことがございます。

1997年2月長野冬季オリンピック記念として
「引窓」と「鬼揃紅葉狩」の特別公演でした。

8日松本文化会館 9日伊那文化会館 11日長野県民文化会館
3日間だけの公演でしたがこの時も私は侍女ぬるで実ハ鬼女でした。
この時はまだ私は45歳、猿翁旦那よりも下でしたし大役に疲れ知らずでした(笑)

余談ですが1995年12月の京都顔見世でもやはり猿翁旦那の「鬼揃紅葉狩」が
上演されておりました。

私は後見で最後に猿翁旦那が立たれる緋の三段を持って行くお役、そして
この後の團十郎さんの「助六」に私は先代芝翫さんの揚巻の振袖新造に出ておりました。

会社から初めに聞いたお話では休憩は25分。
「ま、25分あればお化粧して衣裳かつらをつける暇はあるな、」と
思っておりましたら終演時間がかなり遅くなりそうと云う事で
休憩が10分くらいとなり・・・最後は8分くらいで「助六」の幕が
開くことになってしまいました。

揚巻の出は開いてすぐ、毎日後見から振袖新造を早ごしらえで出ていた事を
覚えております(笑) 若かったからできたのですね(笑)

今回の「鬼揃紅葉狩」には携わっておりませんが懐かしい演目です。

今日の写真は前回の博多座公演の「鬼揃紅葉狩」を記念して私が描きました絵。



6年前のエスパス・ビブリオの絵画展の時にお客様にお買い上げ頂いたものです。
その節はありがとうございました。