『弥次喜多流離譚』の今回の私のお役、二輪草三郎は花道での長台詞で
心臓バクバクでした、とは前回書かせて頂きました(笑)

立ち稽古、総ざらい、舞台稽古、初日となんなく云えたのですが、
なぜか2日目にある台詞の前で止まってしまいました。

いきなり頭が真っ白で ガッチンコしてしまいましたが、

台詞はなんとか止まる事無く 訳の分からない事を喋ってつないだのですが・・・。

舞台に居る弥次さん(幸四郎さん)喜多さん(猿之助さん)や釜掛之丞(片岡亀蔵さん)が
にやけた顔になって来て私は余計パニック(笑)

3日目からは弥次さん喜多さんが先に引っ込む演出に変わり舞台上は
亀蔵さん 廣太郎さん 青虎さんの3人だけになりました。

まさか私が台詞を間違えたので いなくなってしまったのではないと思いますが(笑)



その2日目がトラウマとなりそれから二輪草三郎の台詞は毎回ドキドキだったのです。

普段、台詞を覚えている時や 舞台稽古に「この台詞・・・」と思う事はあります。

なんとなく危険だなあとか、なんとなく「てにをは」がしっくりこないなあとか。

そう思う台詞は実際に舞台の上でも緊張したりします。

ですが、先月は、自分の中では全く違和感なく覚えていた台詞だったのです。

危なげなくと云う感じで、まあ、完璧だったのですが・・・

 

突然、2日目に「消えた」としか云えません
こんな事は初めてでしたので、余計にショックが大きく、舞台に立つのが

怖いと感じました。



幸い3日目から間違えずに云えたのですが、かなり固くなっていたのでしょうね。
舞台に出る前に亀蔵さんが肩を揺らして無言で「リラックス、リラックス」と
慰めて下さいました。


1週間くらいしてもう大丈夫かな?と思った時、また台詞をひと言とばしてしまいました。
そうしましたら亀蔵さん 舞台上で廣太郎さんと「とんだよね」みたいに顔を見合わせ
ニヤッとしたのです。
花道七三でそれを見たら私またまたパニックになりそうでした(笑)

次の日、出の前に冗談で
「台詞ひと言とばしたからって、お二人で顔見わせないでくれます~?
それを見たら余計次の台詞が云えなくなってしまいますよぉ」と申し上げましたら、
ニヤッと笑って「バレたか」・・・と、
で「もう大丈夫だね」みたいに云って下さいました。
私も笑うしかありません



大丈夫ではありましたが千穐楽まで毎回ドキドキしていたのは変わりません
でもお陰で亀蔵さんとは本水仕様も含めて良いお芝居ができました(笑)

そう云えば亀蔵さんとは舞台ではよくご一緒になりますが本格的に絡んだのは
今回初めてでしたでしょうか?

本当にお世話になりました。
亀蔵さんのお陰で、ずいぶんとリラックス出来ましたし、助けられました。

感謝しかありません。

1人立ち回りの時にも、途中からお客様と一緒に拍手をして下さりました。

舞台上での受け答えではありませんが、やはり反応を下さるとこちらも嬉しいです。

おそらく、私のドキドキに亀蔵さんもヒヤヒヤだったと思いますが、

もし万が一間違えても、亀蔵さんが何とかしてくれるに違いない(笑)

そんな気持ちにもなりました。
ありがとうございました。

次にご一緒した時もよろしくお願い申し上げます。