今日は7月7日、七夕ですね。 東京は少し雲が多いですが、
どこかでは天の川が見えているでしょうか?

昔の事ですが19年前まで7月と云えば毎年、三代目猿之助(猿翁旦那)奮闘公演が
歌舞伎座で上演されていました。私も25年ほどの間、出演させて頂いております。


その中で7月に『當世流小栗判官』は4回上演されております。

遊行上人も初演が羽左衛門さん つづいて延若さん 先代門之助さん 歌六さんと多彩ですね(笑)
今回の遊行上人も歌六さん 猿翁旦那と猿之助さん二代にわたる小栗判官です。



7月の歌舞伎座と云うと猿翁旦那の楽屋に必ず初日から大きな笹の枝がございました。
お客様から送られて来た大きな笹の枝と短冊。

それに楽屋に来たみんなが願い事を短冊に書いて笹の枝に結んでおりましたね。
私も当時どんな願い事を書いたでしょうか? 忘れてしまいました(笑)
当時に今の様なブログやツイッターがあったら、きっと皆盛り上がっていた事でしょう。

当時はそれを写真に撮ると云う発想すらありませんでしたね。

そんな云わば年中行事的な楽屋が何年つづいたでしょう? 懐かしい思い出です。

 



思い出と云えば名古屋中日劇場で番外編の『小栗判官』を上演した事がございました。
もちろん本編の『當世流小栗判官』も1984年5月に1回上演されております。

しかしそれより以前に劇中劇で『小栗判官』の碁盤乗りの場面を上演しているのです。

題名は『どっこい馬さん うまの足一代』と云うお芝居で1978年1月に
中日劇場で上演されました。

お話は歌舞伎の名題下、うまの足専門の役者 馬右衛門が主人公でこのお役が
二世鴈治郎さん その弟子を財津一郎さんが勤めておられました。
財津さんの恋人役に中村玉緒さん 

ある意味半分喜劇でした、小栗判官のうまの足を勤める馬右衛門が
舞台稽古の日に喧嘩をして怪我をしてしまい 急遽初日に代役のうまの足を
弟子の財津さんが勤め、碁盤乗りの舞台を無事に終わらせると云う物語。
そしてそれが元で馬右衛門の娘 玉緒さんと結ばれると云う典型的な喜劇(笑)

もちろん本番の時のうまの足は歌舞伎の役者さんが勤められましたが、
それが財津さんともう一人の俳優さんのお役だったと云う事です。

小栗判官のお役はお芝居の中の座頭で先代亀鶴さん

私の父が横山次郎で私が一色丹下で同じ舞台に出ておりました(笑)

ほんの10数分の劇中劇でしたが、本格的な碁盤乗りの宙乗りを披露しておりました。
どこかに当時の筋書きがあったと思うのですが、探すときには出てきません(笑)


これも番外編の懐かしい『小栗判官』でした。