発表されたのはもうだいぶ前ですが、仁左衛門さんの体調不良から
来月歌舞伎座の第3部の演目が変わりましたね。

「与話情浮名横櫛」から玉三郎さんの「ふるあめりかに袖はぬらさじ」に
変更になりました。

玉三郎さんと仁左衛門さんのお富与三郎のコンビを楽しみにしておられたお客様も
おられたと思いますがさぞ残念に思われた事でしょう。

変わりました演目の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」も面白いですよ。
私も1回だけ遊郭にあがる客の一人で出させて頂いた事がございます。


2007年12月の歌舞伎座ですからもう15年も前です。
玉三郎さん自体、勤められたのは10年前の銀座セゾン劇場が最後でした。
今回は10年ぶりの再演となります。

この演目ちょっと風変わりでして歌舞伎座の時は確かに出演者すべてが
歌舞伎の役者さんでしたが初演は新派の方が大半でした。

銀座セゾン劇場の時は玉三郎さんの他 檀れいさんや松田悟志さん 小島秀哉さん 
団時郎さんと色んな役者さんと共演されておられます。

果たしてこう云った演目は歌舞伎と称していいのか? それとも・・・。

猿翁旦那の理論をお借りすれば歌舞伎役者が勤めればそれは歌舞伎、
そうでない時は・・・歌舞伎ではありません でもお芝居的には歌舞伎ですね(笑)

今はそう云った傾向のお芝居が多くなって来ました。
喜劇の人たちが「弥次喜多」を勤めればそれは喜劇で、歌舞伎役者が
「弥次喜多」を勤めればそれは歌舞伎です(笑)

ようするにお芝居ももはや歌舞伎 新劇 新派の境界線はないと云う事でしょうか?
新派の演目もすべての役者さんが歌舞伎の人だったらそれはもう歌舞伎ですよね。

猿之助さんの「愉快な仲間たち 森の石松も」も一応 歌舞伎になるのかな?
明治以後の演劇から令和になって演劇も様変わりしたものです(笑)


来月の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」には河合雪之丞さん 喜多村緑郎さんも
出演されるとか・・・。

新派に移られてから歌舞伎座の舞台に初登場するのは感慨深いでしょうね。

コロナのお陰でお芝居の境界線がどんどん消えつつあります。
これは逆に良しとしなければならないのでしょうね(笑)

私は第1部なので第3部の二人とは会えないかも知れませんが
こんな機会がまたあればいつかまた 共演できる日が来るかもしれません
それはそれで楽しみな可能性です(笑)