歌舞伎座『四月大歌舞伎』の第2部には幸四郎さんが
「荒川の佐吉」を勤めておられます。

第1部とは部跨ぎになるゆえ 現在の状況ではお会いする事ができません

「荒川の佐吉」は今まで仁左衛門さん 勘三郎さん他 色んな方が勤めており
今月の筋書きの上演記録にも掲載されておりますがもちろん 猿翁旦那も数回勤めておられます。


私が初めて「荒川の佐吉」に出して頂いたのは1987年(昭和62年)
歌舞伎座の時でしたでしょうか?

昼の部が「悪太郎」「荒川の佐吉」「黒塚」夜の部が「當世流小栗判官」の通し。


「荒川の佐吉」での私のお役は成川郷右衛門(段四郎さん)の子分でした。

相政は市村羽左衛門さん

その後1995年(平成7年)7月歌舞伎座での猿翁旦那の「荒川の佐吉」で
鍾馗の仁兵衛から成川郷右衛門に鞍替えする櫓下の源次のお役でした。

成川郷右衛門は坂東弥十郎さん 相政が段四郎さん 

2016年(平成28年)に猿之助さんが「荒川の佐吉」を勤められた時も私、
同じお役の櫓下の源次でした。

この時の成川郷右衛門は市川海老蔵さん 相政は市川中車さん

この演目に3回出して頂いておりますが、3回とも成川の子分で
親分が皆さん変わっておりました(笑)


「元禄忠臣蔵」などを書かれた真山青果さんの股旅ものですが長谷川伸さんの
「瞼の母」や「一本刀土俵入り」とはまた世界観が違いますね。

猿翁旦那の時にはまだ真山美保さんがご健在で演出を担当されておりました。
「荒川の佐吉」はなんか新歌舞伎と云う様な独特の雰囲気を持つ股旅ものです。

私は猿翁旦那の「荒川の佐吉」は好きなのですが、もう見られないのですね。


今月の幸四郎さんと白鸚さんの様に本来なら猿之助さんの「荒川の佐吉」に
相模屋政五郎として上置きの猿翁旦那も見たかったです。

今月の幸四郎さんと白鸚さんの「荒川の佐吉」も気になっております。
年代の違う「荒川の佐吉」はもはや歴史、私の櫓下の源次も印象深いお役でした。

部跨ぎが解消されたらまた「荒川の佐吉」に出られるかな?(笑)