一昨日の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にわれらが猿之助さんの文覚上人が登場。

上人とは云えボロボロの装束の衣を纏い胸には頼朝の父、義朝の髑髏を携えておりました。
そして源氏の挙兵を促しておりましたが、頼朝に詐欺師呼ばわりされ一喝されると
義朝の髑髏を置いて帰ろうとし「そんなのいくらでもある。」と豪語しておりました。

なんとも不可思議な怪しき人物(笑)


この文覚を主人公にした作品に1953年(昭和28年)公開の大映映画
『地獄門』という名作がございます。

まだ、戦後が続いていた時代に第7回カンヌ国際映画祭で最高賞であるグランプリを受賞し
さらに第27回アカデミー賞で名誉賞と衣裳デザイン賞を受賞しました。

長谷川一夫さんの遠藤盛遠のちの文覚で袈裟御前には京マチ子さんが扮しておられました。

原作は菊池寛さんの戯曲「袈裟の良人」で、文覚は本来は遠藤盛遠(えんどうもりとう)と云う
平安時代末期の平治の乱に活躍した北面の武士でした。

しかし同じ武士の渡辺渡の妻、袈裟御前に横恋慕して 渡辺渡に「妻を譲ってくれ」などと
強引に迫り、袈裟御前には思いが遂げられなければ渡を殺すと無理難題を突き付けます。

途方に暮れた袈裟御前は仕方なく「今夜、夫を殺すために寝所に忍び込んで」と盛遠に告げます。

深夜、寝所へ忍び込み夜具の上から渡辺渡を突き刺した遠藤盛遠 
はたしてそこに居たのは袈裟御前自身で盛遠は最愛の女性を自らの手で殺してしまったのです。

そして今までの自らの行いを恥じ出家して文覚となります・・・。


映画では文覚はこう云った人物なのですが猿之助さんの文覚はどうも
女性に懸想するような人物には見えませんね(笑)

これからどう展開して行くのでしょう・・・?


余談ですがこの『地獄門』の監督は名監督の衣笠貞之助さんなのですが、
この方、実はもと新派の女形さんで無声映画にも数多く出演されておりました。

ですが映画の父、牧野省三監督に見出され役者ではなく人出の少なかった監督業を
やらされたそうです(笑)


そこからどんどん名作が生まれ先の『地獄門』へと続くのですが、
どこで才能が発揮されるかわかりませんね。
女形特有の感覚での作品は斬新的だったのでしょう(笑)


もし段之さんが映画監督になったら名作を生み出す
名監督になっていたかも知れませんね(笑)