歌舞伎座『十二月大歌舞伎』も今日が終わりまして、千穐楽まであと5日となりました。
その後の5日が終わりますと、もう新年ですか? 押し迫りましたね(笑)


今月の第3部に玉三郎さんの『信濃路紅葉鬼揃』と云う演目が出ております。

もともとはお能の『紅葉狩』を河竹黙阿弥が作詞して九代目市川團十郎が、
新歌舞伎十八番として歌舞伎に取り入れました。


日本最古の記録映画として明治32年に撮影された『紅葉狩』は余りにも有名です。
九代目團十郎の更科姫、五代目菊五郎の平維茂、六代目菊五郎(子役)の山神。

まだ室内の明るさで撮影する技術がなかったので屋外に背景の幕を張って
その前での一部の記録映画でしたが、突然の風に九代目團十郎の更科姫が
扇を落とすところまで映ってしまいました。ご愛敬ですね(笑)


私がこの映画を初めて見たのは、中学生の時。

特別の催しとして、歌舞伎座で上映されましたのを、

父とふたりで上京して見ました。


その後も何度かみました。

今はどうやったらみられるでしょうか。




今月の『信濃路紅葉鬼揃』はかなりお能に近い演出での舞踊劇です。

新歌舞伎十八番の『紅葉狩』と今月の『信濃路紅葉鬼揃』の間に『鬼揃紅葉狩』と云う
演目もございまして、ちょうど歌舞伎とお能の中間的な演目で、およそ十年前の
博多座での猿之助さんの『鬼揃紅葉狩』には私も出演させて頂きました。

しかし後半後シテの鬼女になってからの毛振りはもう若手の人たちについて行けず
体力的にあの公演が限界でした(笑)


『紅葉狩』では のちに鬼女となるのは更科姫だけですが、鬼揃いとあるように
今月の『信濃路紅葉鬼揃』や『鬼揃紅葉狩』は侍女の全員が鬼女に変わります。


賑やかで豪華ですね(笑)

美女と野獣ではありませんが、歌舞伎には美女が獅子になったり
鬼女になったりする演目が多数ございます。

やはり変化と云う美女と鬼女と云う全くちがったお役を披露するのは歌舞伎役者の
面目躍如と云ったところでしょうか?

玉三郎さんや若手の女形が綺麗どころから隈取もいかつい鬼女に変わるのは
見ているお客様にとりましても楽しい見どころではあります。

ですが最近のアニメ『鬼滅の刃』では鬼となった経緯にも悲しい原因があるとか・・・。

しかし歌舞伎ですから無粋なことは云わずに豪華絢爛な舞台をお楽しみくださいませ。

今日の写真は以前に描きました博多座での『鬼揃紅葉狩』からのちシテの鬼女です。
 

 

2017年6月、お茶の水のエスパス・ビブリオで開催させて頂きました

私の絵画展の展示の絵です。

 


懐かしいですね。

ビブリオにも長い間行けていません