一昨日の15日のブログ『今日のしくじり』と云う話の中で「献上柄」の帯、
と云う名前が出て参りました。

コメント欄でも何人かのお客様はどのような帯か、調べて下さった方も居られたみたいですし、
重複いたしますが、この帯の事についてちょっと書かせて頂きます。


なぜ「献上柄」と云う名称なのかと申しますと、1600年の関ヶ原の戦いで
東軍、徳川家康が西軍、石田三成を破り勝利となりました。

その東軍の家康に味方した黒田長政が武功により筑前、福岡藩52万3千石を
与えられ初代藩主となりました。その後の黒田(武士)節でも有名ですね。

藩主となったその後、黒田長政は幕府への献上品として博多織を選び
毎年三月、帯地十筋と生絹三疋を献上する事になりました。

その模様は仏具の「独鈷」と「華皿」との結合模様と中間に
縞を配した定格に固定されていました。

それ以来この柄「献上柄」と呼称されるようになったのです。(以上、博多織工業組合より)

これがその「献上柄」の帯です。




写真は上下同じような柄に見えますが、縞模様の中の上が「華皿」で

下が「独鈷」を表しております。

「華皿」は仏の供養をするときに花を散布する器で

「独鈷」は煩悩を破砕し 菩薩心を表す金属製の仏具で

魔除けや厄除けの願いを込められた帯の柄です。

帯の中央に配置してある縞は「孝行縞」と呼ばれ子供が親を包み込み
守っている様子。

帯の両端は「親子縞」と呼ばれ親が子を包み守っている様子を表しております。
故に帯には上下があって「華皿」が上になるように絞めなければなりません

ね、私の確認ミスとは云え 上下、間違えてはいけないのです(笑)

 

ちなみに写真のものは衣裳ではなく、私のお稽古用の私物です。

白献上はこれひとつですが、別に青献上、茶献上など持っております。

 

舞台でもいろいろな場面で登場しておりますので、ぜひご注目下さい。