歌舞伎座『十二月大歌舞伎』の第2部に勘九郎さんと菊之助さんとで
『ぢいさんばあさん』と云う演目が出ております。

この作品の原作者は「舞姫」「高瀬舟」「山椒太夫」などでも有名なあの森鴎外。
この方、小説家のイメージが強いですが陸軍の軍医でもあられました。



『ぢいさんばあさん』は歌舞伎として上演されることが少なくありません

私がこの演目を初めて見たのは1981年1月中座での『ぢいさんばあさん』
十三代目仁左衛門さんと二代目鴈治郎さんのご夫婦でした。

それから何人の方がこの演目でご夫婦を勤めておられるでしょうか?

十七代目勘三郎さんは歌右衛門さん 長谷川一夫さんともコンビを組まれ
仁左衛門さんも時蔵さん 玉三郎さんともご夫婦役ですね。

猿翁旦那の美濃部伊織だけでも妻のるんが先代芝翫さん 宗十郎さん 玉三郎さん
と変わっております(笑)



私も猿翁旦那の時に朋輩の石井民之進のお役で出演させて頂き
また中車さんが美濃部伊織を勤められた時には先輩の柳原小兵衛も勤めさせて頂きました。

十三代目仁左衛門さんと二代目鴈治郎さんのご夫婦役の時は
大先輩の役者さんが勤められてる演目とも思いました。

猿翁旦那の時でもやはり先代芝翫さん 宗十郎さん 玉三郎さんとで
ある程度年配の方が勤められるお役だなあ~とも思っておりましたが、
今回は勘九郎さんと菊之助さん

年代がぐっと若返り、と思いましたが 私がそれだけ年を取ったと云う事ですね(笑)
段々勤められる方の年代が私よりどんどん若くなっております。



物語はある事件が起きて思わず朋輩を手にかけてしまった美濃部伊織とるんの夫婦が
藩のお沙汰を受け37年もの間、会えずにいてそして再会する物語。

現代でも果たしてそのような事が起こりうるかどうか?(笑)


2,3年離れているだけで気持ちも離れてしまうのでしょうね、難しいところです(笑)

勘九郎さんと菊之助さんの老けたご夫婦役、きっと新鮮だと思いますよ。