歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』は武士の社会のお話です。

ですから、町人と云うお役がほとんど登場しません

せいぜい「六段目 与市兵衛うちの場」で女衒の源六や猟師たち
「七段目 祇園一力茶屋の場」に登場する太鼓持ちたち

それに「十段目 天川屋」の儀平が商人ですが 町人と云えば町人でしょうか?(笑)

『義経千本桜』では「すし屋」でのすし買いや それこそ いがみの権太自身が町人です(笑)
『菅原伝授手習鑑』でも「寺子屋の場面」で町人が多く登場致しますね。

そう云った意味で『仮名手本忠臣蔵』は町人の登場しない珍しい狂言です。

歌舞伎でも番外編の『忠臣蔵』では町人が多く登場します。
 

 

映画の『忠臣蔵』ですと浅野家上屋敷の畳替えの場面などにたくさん職人が登場したり
討ち入り後の引き上げの時などに、周囲に町人の見物人が大勢登場致します。

 


今回の私と喜猿さんのお役 吾助と三次 雪の降る寒い夜なのに碁会所を目指しております。
この二人 よっぽど囲碁が好きなのでしょうね(笑)

ちょうど通り過ぎる横には赤垣源蔵(福之助さん)と龍田新左エ門(廣太郎さん)が・・・。
討ち入り前にこの町人二人、塩冶義士にとってとても縁起のいいことを話しております(笑)

今回の『花競忠臣顔見勢』でも 町人が登場するのはこの二人だけです。


ま、「槌屋邸」に登場する宝井其角(猿弥さん)と大詰「花水橋引き上げの場」の
松柳亭(猿之助さん)が町人と云えば町人ですが・・・(笑)


今日の写真はその私と喜猿さん 町人の吾助と三次です。



この後 二人とも侍となり 塩冶義士に変わります(笑)

 

ですが、この町人姿は別に世を忍んでの仮の姿でもなければ、

実は塩冶の浪人と云う訳ではありませんので、そこのところはよろしくお願いいたします(笑)

あくまでも、通りすがりのただの碁の好きな二人組です(笑)