今月の『花競忠臣義士顔見勢』の幕開きは『仮名手本忠臣蔵』の大序を模している事は
昨日のブログで書かせて頂きました。

 

普通、幕開きは序幕と申しますが、忠臣蔵のように大きな出し物、
本来は物語も1日かかりで上演しますので『仮名手本忠臣蔵』はあえて大序と申します。

 

この『仮名手本忠臣蔵』 もともとは人形浄瑠璃のために書かれたもので、
人が演ずるようになったのは文楽の初演からかなり経った後でした。

そのために大序の幕開きは文楽人形に敬意を表し 役者さんたちにはまだ魂が宿っておらず
人形の姿にて幕が開きます。

 

幕開き、役者がみんな下を向いているのは眠っている訳ではありません(笑)


竹本の語りでそれぞれの人物名、足利直義 高師直 桃井若狭之助 塩冶判官
各大名 雑式の侍と順番で人形に命が宿り 人となって行く様を表しております。

そして足利直義の第一声で歌舞伎の世界へと入っていくのです。

 

今月の『花競忠臣義士顔見勢』を初めて御覧になられたお客様、
『仮名手本忠臣蔵』をご存じないと 何をやっているのだろう?と
思われたかも知れませんね(笑)

 


幕が開く時の黒御簾の鳴り物と音楽は「天王立」と申しまして 拍子木の柝も四十七士に習い
47回打つのが通例となっております。

 

ですが今月はダイジェストですから、どうかな?
御観劇の際は一度 数えてみて下さい(笑)


まだまだ、忠臣蔵のお話は書かせて頂きたい事 山ほどありますが、
追々書かせて頂きます。