毎日暑い日が続きますね。 晴れた日に蝉の鳴き声? 声ではないか・・・、
蝉の鳴いているのがうるさいくらいに聞こえますね。

関西ではクマ蝉が多いですが、東京ではミンミン蝉が多いみたいです。

それに混じってツクツクホーシの鳴き声も聞こえる様になりました。


つい先日、たまたまテレビを付けましたら、出てきたのはカマキリ先生。
その日は「蝉」の授業でしたが、ついつい見てしまいました。
終わりかと思いのほか、その日はスペシャルとかで、次から次から色んな授業(笑)
終わったと思ったらまた別の授業が始まり、結局全部見てしまいました(笑)

あのカマキリ先生と中車さん、同一人物と云うのが・・・信じられないような
そのままやん、とどこか納得するような。不思議な気分になります。


さて、蝉の話ですね。

「蜩」

すぐに読めますでしょうか?
「ヒグラシ」です。

歌舞伎の舞台では このヒグラシ よく登場するのですがご存じですか?

登場と云っても蝉が舞台に出て来る訳ではありません
カマキリ先生は舞台によく登場しますが・・・(笑)


冗談はさておき、このヒグラシ 効果音としてよく使われるのです。

どこで使われているのか、わかりますか?
おそらく、そこそこ歌舞伎の舞台をご覧になっておられる方でしたら、
何度も聞いたことがあると思います。


有名な場面ではみな様よくご存じの『仮名手本忠臣蔵 五段目』

山崎街道の場で定九郎が与市兵衛を殺して登場する際、
「チチチチチチチチ・・・チ チ チ チツツン チチチチチ」と
刀を着物の裾で拭い 鞘に納めるまで この「ヒグラシ」が流れております。


虫の声や鳥の声などは「効果笛」としてあります。赤ちゃんの泣き声も(笑)
ヒグラシも笛としてあるようですが、こちらの舞台では、別の方法です。

ヒグラシの鳴き声は何を使うと思われますか?


三味線を使うのです。
一番細い糸の高音を撥で弾く非常に高度な技術です。


下手の黒御簾で演奏されておりますが、役者さんの動きに合わせて弾いて下さいます。
通称この演奏を「ヒグラシ」と呼んでおりますが、正確には「忍び三重(しのびさんじゅう)」と申します。

 

五段目以外では『鈴ヶ森』で町籠に乗った幡随院長兵衛と白井権八が出くわす場面などがあります。


今月の『加賀見山再岩藤』では岩藤の亡霊が出る場面などには、お化けの登場にお馴染みの
「ヒュ~ ドロドロ」「ドンデン ドンデン」などの笛と大太鼓の効果音が効果的に使われております。

また、過去にも何度か書かせて頂いておりますが、演目に関わりなく、あちらこちらで
使われている黒御簾音楽もあります。


ご観劇の際 何気なく聞こえて来る黒御簾音楽や効果音などにも注意を払われてみては如何でしょうか?