『加賀見山再岩藤』は『加賀見山旧錦絵』と同様、加賀の国 前田家のお家騒動を扱っております。
お家の名前は多賀家になっておりますが・・・。

 

大きな意味では『仮名手本忠臣蔵』も幕府(国)全体を巻き込んでのお家騒動ですね。


仙台藩はご存じ『伊達騒動』、福岡黒田藩の『黒田騒動』と先の『加賀騒動』を加えて
三大お家騒動と云われております。


これらはもちろん歌舞伎化され 庶民もこぞって見に来て大評判となっております。
庶民は自分には関係のない他のお家の騒動は面白かったのでしょうね(笑)
雲の上の出来事をワイドショー的に見るのは、今も昔も変わらないものなのかも
知れません。


その他にもかって海老蔵さんが上演された柳沢吉保を描いた『柳沢騒動』
愛媛の宇和島藩の山辺清兵衛の暗殺を描いた『宇和島騒動』と、いろいろと歌舞伎化されております。


そして、騒動には必ず付き物のものがあります。
騒動だけではなく、まあ歌舞伎に事件が起こりますと 必ずこれが紛失したり、盗まれたり。

「お家の重宝」です。

 

刀だったり、その折り紙だったり、巻物だったり、掛け軸だったり。香炉だったり。

お宝だというのに、まあ簡単に無くなります、盗まれます(笑)
そんなに簡単に失っていいの??ってくらいに なくなります。
重宝はきちんと盗まれないところにしまっておいてください!と
云いたくなる方も居られるのではないでしょうか?

無くなるからこそ、騒動が起こるのですが・・・

 

今回、私のお役の柏木曽平太は蟹江主税(今は猿四郎さん)に頼まれて多賀家の重宝
「金鶏の香炉」と云うお家の宝を盗み出します。

そうです、今回は一大事を起こしますのは、私なのです(笑)
騒ぎの張本人のひとりです(笑)


これが無くなったと分かれば多賀大領は切腹 お家はお取り潰しになります。
岩藤の亡霊に操られた 望月弾正は国を乗っ取ろうと画策致しております。

これ、昔はよくあったお話とされておりますね。

実際にあったかどうかは私はそんな記録は見つかりませんが・・・(笑)


少し余談になりますが、幕府も中期以後は借金のかさむようになり 
江戸幕府は各藩になんとか理由をつけては 取り潰しをおこない、 
その領地を幕府に返上させて 財政難を乗り切っていたとか・・・。

 

お芝居の中でもよくありますが、幕府からその藩の主に拝領と称して、刀や香炉等々の宝物を与えます。
そして、御庭番(忍びの者)を使ってその宝を盗み出し 頃合いを見計らって

拝領品を見分するとの理由でその藩へ使者を送り なかったら理由をつけてお取り潰しとする。

 

そしてその藩を幕府預かりにして幕府の資金を増やして行こう云うという類のもの。
与えたのも盗んだのも幕府で、これが本当なら幕府のやり方もえげつない。

芝居よりも現実の方が容赦ないと云えば容赦ない(笑)


ですがお芝居には、この「お家の重宝」うってつけの材料、発端です(笑)
 
私の柏木曽平太もまんまとお家の重宝「金鶏の香炉」を盗み出すことに成功。
(だからちゃんと大事にしまっておいてください!(笑))
ですが安田帯刀の奴 伊達平(巳之助さん)に見つかってしまいます(笑)

この後、曽平太はどうなったのでしょうか?

 

「金鶏の香炉」は無事に見つかり多賀大領の手にわたり 望月弾正は死に、
一派も捕まっておりますから曽平太も捕まったのでしょうね(笑)

今日の写真は今月の私のお役 柏木曽平太です。

 

私 ある所から登場致しますが、登場の際にはいつも拍手をありがとうございます(笑)

 

4日目に拍手が途絶えたと云う事を以前朝ブログで書かせて頂きましたが、
その際に、このことを言葉にしたら何だろう??と 我が家で少し話題になりました。

 

「三日御定法」・・・なんか違う(代役についての用語です、詳しくは以前のブログを)
「三日坊主」・・・・ますます違う
「三寒四温」・・・・無言

あ!「三日天下」・・なんでやねん!
当たらずとも遠からずですが、妙に悔しい(笑)

 

大向うがない中、みな様の拍手に、元気をもらっております。ありがとうございます。