先日の大雨による熱海の土石流大災害に続き 九州でも大雨の被害があったようですね。
お悔やみ申し上げます。

 

同じところにずぅ~っと降り続く「線状降水帯」最近はよく見られますが、
私が知らなかっただけかも知れませんが このような状況になること、
今まではそれほどなかったように思います。

自然の猛威は本当に恐ろしいですね。

 

その自然をもし自由に操ることができたら・・・、
日照りの続くところに雨を降らし、雨が降り続くようなら雲を消して晴れに導き 
台風が起こりそうなら 台風のコースを変え・・・、

 

そんな事ができたらいいなぁ~とは ドラえもん的に思いますが生半可、
人間がそのような力を自由に使えるようになったら、今度は人間が傲慢になってしまい 
またその使用方法をきっと間違えてしまうでしょうね。

 

 

そんなお芝居が今月の歌舞伎座第3部で上演されている『雷神不動北山桜』

 

王座を狙う早雲の王子が京都北山に居する鳴神上人と結託して、龍神を滝つぼに封じ込め
巷に雨を降らさないように行法を使います。

 

しかし人間の方が一枚上手で宮中より絶世の美女である雲の絶間姫を北山に送り
その鳴神上人の行法を色仕掛けで破ってしまいます。

ご存じ、歌舞伎十八番のうちの『鳴神』『毛抜』『不動』の入った通し狂言
『雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)』

 

ですが、今回の通し狂言は歌舞伎十八番とは銘打ってございません

本来は長い長いお芝居ですが、これを2008年1月新橋演舞場で海老蔵さんが
独自の演出を加えられ、五役早変わりのスピード感あふれるお芝居に変えられました。

 

ですから今までの歌舞伎十八番とは違う上演の仕方なので、十八番と云う名称を外されたのです。

私も新橋演舞場、名古屋御園座、博多座の時には出演させて頂きました。

 

今回の歌舞伎座バージョンは3部制のために、さらにスピーディーになっているのではないでしょうか?

 

猿翁旦那が復活古典歌舞伎やスーパー歌舞伎を作られたおかげでその後に続く
若い力のある歌舞伎俳優の方たちは お家のやり方だけに拘らず 独自の発想を
どんどん生かして行かれるようになりました。


歌舞伎十八番は歌舞伎十八番として楽しみ、また長い狂言は新しい観点から
わかりやすくスピーディーに展開する・・・。

 

猿翁旦那の先駆的なお考え方が浸透してきたと云う事でしょうか?

もし機会があれば両方ご覧になられるときっと、元の歌舞伎十八番もわかりやすいかと思います。

 


九州は鳴神上人の行法が(本来は雨を降らさないのが鳴神の行法ですが、雨続きを晴れにと云う意で)薄れ 

まもなく梅雨明けとか・・・(笑)
関西、東海、関東も今頃は鳴神上人と雲の絶え間姫が一緒にお酒を飲んでいる頃でしょう(笑)

梅雨明けは来週あたりになりそうですね。