今日の読売新聞の一面に宮沢賢治の詩『小岩井牧場』に
関する記事が掲載されておりました。


そこでまたまた突然ですが、この文字の共通点は何でしょうか?

 

鶸 鴇 鳶  ・・・ 

 

鳥 ?  確かに鳥には違いないのですが、

 

読み方としては、ひわ とき とび ・・・ですね。
確かに共通点は鳥です(笑)


答えは、「色」 

鳥にちなむ色ですが、詩の中では山肌や桜 畑の色に表現されているそうです。


ではさらにこれに 鶯(うぐいす) 納戸(なんど) 萌黄(もえぎ)と、
加わると共通点は何でしょうか?


鶸色(ひわいろ) 鴇色(ときいろ) 鳶色(とびいろ)に
後の3つを加えると歌舞伎の腰元の着付けによく登場する色です。

 

この色から、演目がすぐに思い浮かぶでしょうか?

 


鴇色(ときいろ)は『義経千本桜 四の切』の義経の褥脇息(しとね きょうそく)を
持って来る腰元や『伽羅先代萩』の御殿で 栄御前が花道から登場する時に付いて来る
もっともポピュラーな腰元の着付けの色です。

 

所謂 薄いピンク色、昔は腰元の着付けの色をピンクなどと表現しますと
歌右衛門丈等からお叱りを受けたそうです、私ではありませんが・・・(笑)

 


鶯色(うぐいすいろ)は鶯の羽のような暗くくすんだ黄緑色、
鶸色(ひわいろ)は同じ黄緑でも マヒワの体色を模した明るい黄緑色で
両方とも居並びの腰元の着付けによく使われますが 

鶸色は『紅葉狩』の三枚目の腰元の岩橋などが着ている色です。


そしてお納戸(なんど)の色名の由来には、納戸の暗がりの色とされ
『加賀見山旧錦絵』の営中試合(竹刀打)の場面で岩藤方の腰元が着ている着付けの色です。


本当は写真入りで色を紹介したいのですが、それほどの資料が手元にありません
色はご想像にお任せいたします(笑)

 

演目で検索したら ある程度は出てくるかもしれません。

 


昨日の10日から1週間 愛鳥週間なのだそうです。

 

空にはばたく鳥を見ながら歌舞伎の腰元の着付けの色を
想像してみては如何でしょうか?