緊急事態宣言の期間延長でどうなる事かと思いました歌舞伎座の5月公演、
なんとか12日に初日を迎えられそうで ひとまずはよかったです。

 

演じる側も、そして見に来て下さる皆様も、より一層気持ちを引き締めて、
無事に千穐楽までの完走が出来ます事を願っております。

そして、6月7月も続いて公演される事を祈っております。

 

昨日のブログで今年7月の歌舞伎座公演の演目が出た事は書かせて頂きましたが、
歌舞伎座の7月と云えば三代目市川猿之助(猿翁)奮闘公演が続いた月。

 

私が初めて7月の奮闘公演に出させて頂いたのは1977年(昭和52年)
『小笠原騒動』の黒四天と狐の眷属でした。

その奮闘公演から猿之助特別公演となるまでのおよそ30年間
7月は毎年歌舞伎座の出演と云うサイクルでした。

2003年に猿翁旦那が病に倒れ、2003年を最後に猿之助特別公演は途切れました。

 

その後、7月に玉三郎さんや海老蔵さんの公演も入り 猿翁一門の弟子は
そのまま 7月は歌舞伎座と云う出番が続いていたのですが・・・。


2005年には7月の出演劇場が歌舞伎座ではなく 一門で国立劇場の
歌舞伎鑑賞教室になり、以降は歌舞伎座になったり、巡業や松竹座になったり
と云った感じになりました。

 

さらにその後、歌舞伎座自体が閉場したり致しましたが、演舞場などの出演が続き、

ついに2019年には、私初めて7月が1ヶ月お休みになってしまったときには・・・

ついにここまで来たか!と 大きなショックを受けた事を思い出します。


さすがに、名題は最低でも、1年に2ヶ月のお休みが普通との事ですので、
お休みは受け入れますが、それが7月か・・・あの忙しかった7月が・・・と。


ですが、その翌年にはコロナでまたまたこんな事態になってしまい、
それがまだ続いているとは 思いもよりませんでした。
本当に 人生何があるかわかりませんよね。

 


海老蔵さんも本来なら昨年の5月6月7月の襲名披露公演で
十三代目市川團十郎白猿の名跡を継がれていた筈。

その時から今年の7月まで海老蔵さんの歌舞伎座出演はありませんでした。

 

おそらくですが、コロナの事態が少しでも早く収束していたなら
すぐにでも襲名披露公演を実現しようと 会社は予定していて
そのために歌舞伎座出演を控えられていたのだと思います。

 

ですが予想に反してかなり長引く事となった結果、海老蔵さんが
歌舞伎座に出演しない(できない)と云う事はあまりにももったいないと云う
結果ではないかと思います。

 

海老蔵さんも不測の事態での襲名延期ですから 海老蔵の名前のままで
歌舞伎座出演をご了承されたのでしょうね。

つらい選択ではあったと拝察申し上げます。
1日も早い團十郎白猿誕生を願って止みません

 

7月の第3部 海老蔵さんの『雷神不動北山桜』は従来の上演の仕方とは違い
海老蔵さんの新しい演出での通し狂言となってこれはかなり 
わかりやすい組み立てとなっております。

 

さらに主要人物の五役早替わりと「鳴神」「毛抜」の場面はスピーディーに
「不動」の場面は厳かに神秘的な展開となっております。

 

私は2008年(平成21年)1月新橋演舞場、2009年4月御園座と10月博多座の3回
この演目に出演させて頂き 懐かしい演目でもあります。

 

とにかく、この状況下でも事故なく歌舞伎公演が上演される事を祈っております。