今日は少し 違った角度からのブログです(笑)
歌舞伎にも落語にも欠かせない小道具と云いますと、手拭いがございます。
落語では帳面になったり、財布や煙草入れにもなったりしますね。
歌舞伎ではそのような使い方はしませんが 色んな事を表すための
小道具としては欠かせません
中には台詞を書いてある手拭いもございます(笑)
誰が持っているのかは申せませんが・・・(笑)
そして、私が持っても残念ながら、書いてある字を読むことはできません(笑)
まさか舞台に眼鏡をかけて出る訳には参りませんものね。
さておき、手ぬぐい。
よく登場しますのがこれです。
これは『豆絞り』と申します。
本来はひとつひとつの玉は絞って染め上げるのですが、
今はプリント柄が多いですね。
本物の豆絞りは柄のわりには手間暇もかかり、現在では値も張り 歌舞伎でもなかなか本物は
持たせて貰えないのが常です(笑)
江戸時代は逆にプリントもないですから大量に出回り 手拭い自体も安かったのだと思います。
豆絞りの「目」の柄は魔除け、厄除けの意味もあり 現在でも新鮮なものを扱う
お寿司屋さん 魚屋さんに多く使用されております。
舞台上でも粋なお役、お染久松の「野崎村」の駕籠屋さんや 「髪結新三」のカツオ売り
「一心太助」の様な 魚屋さんなどのお役がよく使います。
これは、私自身が船頭だったか、駕籠屋だったかで使った小道具だと思います。
これは『山道』と云う柄です。
真ん中の灰色に抜かれた部分を山道に見立て 松葉が多く敷き詰められ
如何にも田舎の風景を思わす柄で 豆絞りと違ってやぼったいお役でよく使われます。
山賊や雲助の鉢巻きなどにも、多く使われますね。
多分、これも山賊か雲助で使ったものだと思います。
面白いのが股旅もののやくざ映画『清水次郎長』などで 次郎長側の鉢巻きは豆絞り
敵対する親分や子分の鉢巻きは山道と これもだいたい分かれておりますね(笑)
小道具ひとつにも 色々と意味合いがあり これらに目をやるのも面白いかと思います。
ちなみに ついでに私の手拭いもご披露させて頂きます。
(上の二枚と合わせて、急遽アイロンをあてましたが、熨斗から出しましたので
折り目とれませんでした)
(スマホなどでご覧の方は縦になってますが、パソコンでは一枚に見えるはずです)
川の流れは、おもだかの清き流れ 私の紋 三つ追いおもだかを一門の円(猿)として
渓流が三筋から六筋になるので 猿三郎、と かなりこじつけです(笑)
市川猿三郎の書体は家人の母が書いて下さいました。
市川猿三郎を二代目として襲名しました折に作りましたもので、
お配り物としてお客様にお配りさせて頂いております。
かってはお持ちの方も居られたかと存じます(笑)
初期のものは薄い藍色に染め 2度目はうぐいす色にさせて頂きました。
何らかの折で楽屋などでまたお会いした時 機会があれば(笑)