昭和から平成 そして令和へ、私自身もまさか三代の年号を
現在進行形で生きるとは思いませんでした(笑)

 

祖母が生きた明治、大正、昭和の激動期に比べれば
まだ私の三代は平和でしょうか?

 

祖母は日清、日露、第一次世界大戦 太平洋戦争と
大変な時代を過ごして来た事になります。

また昭和でも、戦前と戦後では生活が大いに変わったでしょうね。


私の時代は戦後の高度経済成長からバブルを経験しての現在、
いい事しかありませんでしたから 今のコロナ禍の時代は
つけが回って来たのかも知れませんね(笑)

 

確かに行動の制限などはありますが、物もあり、生活は普通であり、
なんとか自己防衛の手段をとる事もできると思うと、
祖母の時代のように 理不尽な生命や生活の危険とは
また違っている事でしょう。

そう思って 毎日を過ごしております。

 

 


時代によって違う事と云えば、昨日はちょっと大衆演劇の事を
書かせて頂きましたが、大衆演劇の役者さんはそのほとんどが
劇場暮らし、つまり楽屋に寝泊まりしているのです。

 

寮のようなものもあるところもあるとは 聞いてはおりますが、
基本的には、そしてとくに若い方などは、楽屋です。

一ヶ月ごとに劇場を移動しながら 食事などもそこで大勢での生活になる訳ですね。

 

 

私たちも若い頃は南座などでお稽古が遅くなったりしますと、
京阪や阪急の終電が無くなり 帰れなくなって 必然的に楽屋に泊まるしか
手段がありませんでした。

 

今でこそ、「あ、やばい」と思いましたら、その場でホテルを
検索して安い所を探すって事も出来ますが、その当時は、
遅い時間に飛び込みで泊まろうとした日には・・・
いくらかかるかわかったものではありません。
そんなお金もありませんでした。

 


東京公演に来ても、名題下の頃は旅館に宿泊。しかも誰かと相部屋で
ホテルのシングルなんて事はなかったです。

 

当時は確かに東京でも旅館が多く、築地や新富町あたりの旅館が
関西から行った役者さんの定宿でした。

私は父がおりましたので、だいたい父と相部屋。
一番最初に記憶にありますのは、新富町のあたりでしたっけ。
6畳だったか8畳だったか。トイレは共同でした。

 

お風呂は・・・?楽屋で入って来ておりましたので、使った事は
あまりありませんでしたが、旅館にはありました。

時間の制限があったので入れたり入れなかったり・・・。

 

当時は、東京への出張に来たビジネスマンの方なども泊っておりました。
ビジネスホテルなんて 多くありませんでしたから。

 

有難かったのは 朝と晩の食事もついていたこと。
なにしろお給料は雀の涙でしたから・・・(笑) 

 

遅くなりましても、置いておいてくれておりましたので、
食べるものには困りませんでしたね。

 

 

御園座は楽屋の上に別に宿泊部屋がありそこで寝ておりましたが、だいたい3人部屋。

食事は始めに1ヶ月分の朝昼夜の90枚くらいの食券をくれて それで食堂で食べておりました。
夜に部屋で食べたい人は持ち帰りもOK(笑)

 

食事の1人前のメニューは日替わりで決まっていて お金は要りません
食券が無くなって行くとあと何日・・と 帰れる日を心待ちにしてました。

 

そうそう、歌舞伎で行った時と、歌舞伎以外の商業演劇の仕事で別に行った時と
食堂の日替わりのメニューが違い 商業演劇の方が豪華で格段に美味しかったのは
驚きでした。 

経費が違うのかな?(笑) なんでやねん!って思いましたね。

両方体験している人も多かったと思いますので、バレバレだったと思うのですが(笑)

 


巡業公演でも ちょっと時代が変わって2人でツインがいいとこで、
ひどい時には旅館で名題下10人~12,3人 宴会場みたいな大部屋で
みんな一緒に寝泊まりしておりました。

 

夜に到着して、大広間に布団が敷かれた状態。
なんとなく、場所も決まってくるもので、端の方は先輩格など暗黙のルールもあり。
当時若手でしたので、空いている所で寝るのが当たり前。
毎日違う旅館ですので、チラチラ場所確保をするのが 毎日続いたり。


そこから、バス移動などで起きる時間がみんな一緒ならいいのですが、
公演地で出勤時間がみんな違うと 各自が目覚ましをかけていて
順番にベルが鳴り、うるさくてゆっくり寝られない事もしばしば・・・(笑)

 


それに比べれば今の時代は若い人たちでも地方公演や巡業でも
各自がホテルのシングルを確約されており 恵まれていますね。


お芝居も当時は熱が出ても休むな、舞台に穴を開けたらクビ、
が当たり前・・・が 今は熱が出たら来ないで下さい。休んで下さい・・・(笑)

 

変わらないものはお芝居を見て 感動して明日の英気を養う、なのに
そのお芝居も縮小され 感動も縮小でしょうか?

 

 

時代も変われば変わるものです(笑)

そんな時代に、お待たせしました。

 

6日、7日に昨年緊急事態宣言下で配信されました、幸四郎さん 猿之助さんの
『図夢歌舞伎 忠臣蔵』が衛星劇場で放送されます。


『図夢歌舞伎 忠臣蔵』

6日(土)PM5・00~7・15「大序~六段目」
7日(日)PM5・00~7・30「七段目~十一段目」

歌舞伎の舞台上ではなく、映像的に撮られた忠臣蔵ですが、
とても面白い捉え方をしております。
この時代でなければ、生まれるはずもなかった形式での作品です。


ご覧になれる環境の方はぜひご覧下さいませ。