なんだかんだ云いながら、10月に入りましたね、今年もあと3ヶ月。
人間の一生は短いですが、その短い間のおよそ1年間が
どうしようもない状態となっての今年の10月。
その中でも少しでも楽しいこと、幸せだなって思えることを
探しながら日々を送ろうと思っております。
さて、12ヶ月の暦には「月」と云う文字が入っています、そして今月は神無月。
出雲では今月は神在月(笑)
では、他の地域には神がいないのかと思いましたら、ここに居ました(笑)
神は月で地球上の出来事を見ているのかも知れません
そしてこの騒動がいつ終わるのかも きっと知っているのでしょう。
今夜は「中秋の名月」
私たちに微笑みかけている様な 輝きでした。
東京、朝方は雨でしたが、午後から晴れて夜には名月を観測する事ができました。
今日の月が見えた事、これだけで1万円チャレンジで
天体望遠鏡を購入した甲斐がありました(笑)
今日は少し月の出が遅かったのですが、夕飯前からいそいそと望遠鏡を準備。
ぎりぎり角度的に見られる、撮れる時間までワクワクして待ってました。
望遠鏡で遊びながらも頭に流れているのは、歌舞伎のセリフ。
悲しい歌舞伎役者のサガです。
『義経千本桜 吉野山』の場面 忠信と静を捕らえに来た
早見の藤太と大勢の花四天に向かって云う台詞。
「星、満々たりと云えども 月の光に勝つ事あたわず、
ならば手柄に 絡めてみよ~。」
いつ聞いてもロマンのある いい台詞ですね~(笑)
そしてこの台詞はご存知ですか?
「晦日に月の出る廓(さと)も 闇があるからおぼえ~ていろ!」
『曽我綉侠御所染』で御所五郎蔵に敵対視するのが星影土右衛門。
敵はやはり星ですよ(笑)
その五郎蔵が愛想尽かしされるのがもとは腰元で女房 そして今は
ある事情で廓に売られた傾城皐月、
この愛想尽かしも五郎蔵のための事情なのですが、
そんな事は露ほども知らない五郎蔵。
もとは侍ながら侠客と云われる男は、深く頭が回らず単純な様です(笑)
怒りに任せて その場から去る時に云う捨てセリフが、
「晦日に月の出る廓(さと)も 闇があるからおぼえ~ていろ!」
次は「月もおぼろに白魚の・・・」とは、
ご存知『三人吉三廓初買』の大川端 お嬢吉三の名セリフ。
「世は末世に及ぶと云えど、日月未だ 地に落ち賜わず・・・」は
『勧進帳』で義経を打擲した後に嘆く 弁慶のセリフ。
「しかも正月十五日 月ゃ~ あれども雨雲に 空もおぼろのお茶の水。」
とは『盲長屋梅加賀鳶』の質店の場で 按摩坊主 道玄の悪事を暴く
加賀鳶の松蔵のセリフ。
色っぽい処では
「お月さんも 寝やしゃんしたぞえ~」は、『すし屋』のお里。
この他にも月に関係するセリフや狂言名題は数多く出て参ります。
皆様も何か 思い浮かばれましたか・・・?(笑)
「中秋の名月」を見ながら 歌舞伎のセリフを思い出してください。
アップしたあとも、「なんでこんなに綺麗なんやろ」と飽きることなくかじりついていた私
気がついたらこんな写真を撮られてましたので、追記です。