ここ連日、何やら思わせぶりなブログで申し訳ありません。


昨日の時点で、催しの事をブログで書いても良い事を
確認いたしましたが、昨日も書きました通り、私にとっては
今日が終わらない事には どうもスッキリとは書けません

昨日も 心ここにあるような 無いようなブログになりました(笑)


先日来、台詞覚えに苦労し、弟弟子の喜楽さんと稽古場を借り、
自主稽古を2回に渡りしておりましたのは・・・


国立劇場にて 伝統歌舞伎保存会主催の「上浚い」に
参加させて頂いていたからです。

 

この上浚いは、お稽古場で、お化粧もせず、お稽古着のままで
勉強の成果を 発表すると云う形のものです。

今までも時々開催されていたのですが、
現在の状況で、頻繁に開催が予定されております。
その一度目が 昨日から始まる4日間の研修だった訳です。


先月にその開催の知らせが参りました。
その時点で、9月の歌舞伎座の出演はどうも難しそう、
そろそろ私自身も 歌舞伎に関わりたくなっておりましたので、
「お手伝いで関わらせて頂けましたら」と参加の表明をしました。

そう、「関われたら」と云うつもりだったのです。
後見とか、お手伝いとか。お手伝いとか。


9月に入り、伝統歌舞伎保存会からの封書が届きました。
・・・でっかい
・・・これまさか、台本サイズ??


案の定、封筒からは一冊の台本が出て参りました。
そして、1枚の配役表。

今回は、『寿曽我対面』を2日間に渡り2パターンの配役、
『三人吉三~大川端』と『白浪五人男~稲瀬川勢揃い』で4日。


出て来た台本は『寿曽我対面』でした。

ちょっと焦りながら、配役表を上から見ます。
1日目「鬼王新左衛門」
・・・おぅ、役が付いてしまった・・・マジか


2日目「工藤左衛門祐経」

は???え??? 何かの間違い? マジか!!!!!!

一番上に私の名前がありました。
え~!!!!!


そこからの必死のパッチは、ここ数日間のブログの通り。

『寿曽我対面』は立役の歌舞伎役者であれば、たいてい一度は
出たことがあるでしょう。

 

また、歌舞伎のお役の典型的とも言えます様々な役が
出て参りますので研修所などの発表会や 勉強会などでも
よく出る演目ではあります。

 

私自身は、研修所出身ではないのと、勉強会でもこの演目と
関わった事がありませんでしたので、それほどの役は経験がありません。

大名を数回と 近江小藤太を本公演で演じたくらいです。


工藤の台詞もずっと25日間聞いていたはずなのですが、
いざ自分がやるとなると これは焦ります。

 

一生私には 回って来るとは思えなかったお役の一つです。
いやはや・・・焦った焦った。


しかも、私の同輩たち、少し後輩たちは、皆出演ではなく、後見での参加です。

なんで??いや、ホンマになんで私が???

この謎は解ける日は来ませんでしたが、

とにかく、決まったからには やるしかありません

 

同輩が出てないと云う事は 後輩ばかり、若手ばかり。
私が足を引っ張る訳には参りません。
出来て当たり前と思われてしまいますので・・・

無駄にプレッシャーもかかりましての 上浚いになりました。

 

出演者全員が会うのは今日の当日で、みんなで合わせる間もなく

ご指導が入る総ざらいから いきなり始まり、
休憩の後にもう一度 本番の上浚い・・・。


猿三郎は一体何の稽古をして、何にそれほど追い込まれている?
と思われた皆様(笑) こんな事があったのです。


昨日、今日の本番には片岡仁左衛門さん 中村時蔵さん 片岡孝太郎さんが
ご指導 監修として、その成果を前でご覧になられております。

緊張しないはずがないじゃないですか・・・(笑)

 

後からこそっと関係者の方に配役はどなたが? と 伺いましたら

時蔵さんと孝太郎さんが 今までの実績で・・・と云う お話しでした。

まさかですが 私まだ「若手」「絶賛勉強中」の枠だったらどうしましょう(笑)

そうでは無いと信じてますが。

 

ちなみに仁左衛門さんに今日「おはようございます お願い致します。」とごあいさつを

しましたら 「お前何やるんや?」と

「工藤やらせて頂きます」と云いましたら「お前 工藤か(笑)」

 

・・・笑われてしまいました

 

 

本番と云いましても 国立劇場のお稽古場で、お稽古着のまま、
更に時節柄、演者は皆フェイスシールドをつけております。


動画として皆様に見て頂けることは おそらくないと思いますが、
もしかしたら、後日、伝統歌舞伎保存会のページにて
何らかの 写真くらいは 載るかもしれません


5ヵ月ぶりの歌舞伎、本舞台ではありませんでしたが、
本舞台では決してする事のないお役を 二役も勉強させて
頂きましたのは 本当にありがたい事ではありました。

 

澤瀉屋からは、私以外には くだんの喜楽さん、そして
段一郎さんが参加しておりました。

我々一門は、どうしてもスーパー歌舞伎などの長期間の拘束が多く
こういった歌舞伎全体の勉強会には なかなかチャレンジが出来ません

 

私も過去に「稚魚の会、歌舞伎会合同公演」に一度参加したのみです。

今後、またこの上浚いは開催されるみたいですから、次の機会には
また誰か弟弟子が挑戦してくれたらいいなと思います。

 

その時には こんどこそ 私は「お手伝い」で(笑)

 

 

今日の出来は自分的に80点くらいでしょうか?

色んな事がありましたが、そこは ま いろいろ甘味して・・・(笑)

 

とにかくやっと終わりました(笑)

ここ1週間、生きた心地がしませんでしたので 今夜からは

たっぷり飲んで休んで 遊びます(笑)