今日の読売新聞の表紙の編集手帳に 大阪で老舗のフグ料理屋さんが
この秋にも暖簾を下ろすという記事がございました。

 

新世界が本店で 道頓堀にもお店があり 大きなフグの提灯はこのお店の大看板
そして独特のメロディーが1日中 鳴り響いております。


「新世界の○○○やで~ づぼら連中集まって~」の曲は大阪の人なら
知らない人は居ないのでは無いでしょうか?(笑)


この曲、中座に出ておりました時期 当時、遮音設備などない楽屋の
真正面がこのお店で朝から晩まで洗脳されておりました(笑)


中座に何回か出演して居た時や 1977年(昭和52年)11月 
東京の歌舞伎座と大阪の中座で『仮名手本忠臣蔵』の通しを
江戸型 上方型と東西で競演して居た時も・・・。


最後に出演しましたのは1998年(昭和61年)
猿翁旦那の歌舞伎ワークショップで3日間、講演して居た時も、

中座に出演していた時は毎日 先の曲を楽屋で聴いていたものです(笑)


歌舞伎座前の老舗のお弁当屋さんに続いて そのフグ料理屋の老舗さん迄 
コロナの影響もあってか 営業自粛から再開することなく閉店とは
淋しい限りです。


余談ですが、現在の松竹座が 1997年に完成したために中座は
1999年10月31日に閉館致しました。


その後 2002年9月 中座は工事中の手違いで爆発炎上したのです。

 

そして奇しくもその月 私も出演しておりました日比谷の帝国劇場で
十朱幸代さん 右團次さん 藤間紫さん 杉浦直樹さんでの
『残菊物語』を上演しており 劇中劇の「鏡獅子」は中座が舞台となっておりました。

 

今の道頓堀は 私が子供の頃に過ごした道頓堀とはもうまるで違いますが
それでも道頓堀の中座と一世を風靡したフグ料理屋さん

 

父母と昔行った事があるかも知れませんが、私はよく覚えておりません
記憶のある頃からは、 近すぎて逆に行ってなかったかも・・・?(笑)



時代の変遷とは云え 道頓堀の名物がまたひとつ無くなって行くのは
なんともやるせない気持ちです。