今日も午後から『JINー仁ー』を3時間見ておりました。

テーマはもちろん「医は仁術なり」


「仁」と云う字で何か思いつく歌舞伎の演目はありますか?


いくつかあると思うのですが、私が一番最初に思いつきましたのが、
『南総里見八犬伝』、スーパー歌舞伎『八犬伝』でした。


『八犬伝』の犬江親兵衛が持っている玉も「仁」

「仁」とは辞典に、愛情の一形態 他人を大切に思い、いつくしむ感情をさす語。
と、ございます。


『八犬伝』においては、犬江親兵衛は、一人飛びぬけて年少者。

 

1993年、94年に計5ヶ月上演されましたスーパー歌舞伎『八犬伝』
この時の1993年の初演、新橋演舞場での八犬士は

犬塚信乃:中村信二郎(現中村錦之助)
犬山道節:坂東彌十郎
犬飼現八:市川門之助
犬田小文吾:市川段治郎(現新派の喜多村緑郎)
犬川荘介:市川猿弥
犬村大角:市川右近(現市川右團次)
犬坂毛野:市川笑三郎
犬江親兵衛:市川亀治郎(現市川猿之助)

でした。

 

ちなみに ゝ大(ちゅだい)法師 玉梓、妙椿(玉梓の怨霊)は猿翁旦那でした。

 

メンバーを見て、当時まだ10代だった猿之助さんが、親兵衛の役、設定は8歳(笑)

8歳・・・(笑)

 

笑也さんの伏姫と幕開きから登場するのですが、
犬江親兵衛だと正体が明らかになるのは2幕の幕切れ
そして3幕で大活躍すると云う訳です。

 

2幕の初めに敵役、扇ヶ谷定正に仕える占い師妙椿(実は玉梓の怨霊)が申します。

「最後の犬、八匹目の犬が現れたら扇ヶ谷定正の野望はつぶされる」・・・と 


親兵衛は8歳ですから若いのですが、「仁義礼智忠信孝悌」の筆頭の
「仁」を持つものとして、恐ろしい存在感を示していたのを思い出します。


こちらの『八犬伝』は、新橋演舞場以外には、中日劇場での上演。
その際には、亀治郎さんは出演されず、配役も変わってました。

 

ちょうど、高校3年生から大学1年の時期でしたので、
地方公演は勉学との関係で 参加されなかったのでしょうか。

 


少し前に、こちらの『八犬伝』は衛星劇場で放映されました。
ご覧になられた方も 多かったのではないかと思います。


イメージ的には、次々に仲間が集まって来る『ワンピース』形式
(もっとも、すべて集まってから以降の話が舞台化されましたが)

今現在でしたら、映像などを駆使してもっと安く・・・できるかも知れない
舞台装置が、すべて大ゼリに埋め込み式で、設置されておりましたので、
ほぼ演舞場でしかできない舞台でした。

 

その為に、5ケ月しか上演されませんでしたが、今でしたら
一体どんな舞台が作れるのでしょうね。

 

『當世流小栗判官』から『オグリ』そして『新版オグリ』
『南総里見八犬伝』と『八犬伝』

 

『新版八犬伝』ができるのか できないのか。
それは私にもわかりませんが・・・(笑)


『JINー仁ー』を見ながら、30年近く前の舞台を思い出しました。

・・・30年近く前。

書いて驚きました。正確には、27年前ですか。

 

スーパー歌舞伎の公演で『オグリ』の次の年に上演されたのがこの『八犬伝』


もし、映像をお持ちの方がおられましたら、今日までの『新版オグリ』の
配信が終わりましたら、是非とも昔のスーパー歌舞伎も 遡って
見て頂けたら嬉しいなと思います。