今日も午前中、散歩に出かけました。
今日は近場の散歩なので、１万歩までは行かず、６千歩弱でした。
それでも、朝 少しだけでも外に出られると気分も変わります。
公共機関を使わずに 徒歩だけで行ける処は限られてしまいますし
その目的地が人の集まるところを極力避けているので、
本当にどこに行こうか悩んでしまいます。
が、お天気のいい日は、午前中にお散歩。続けたいと思います。
おそらくみな様もそうだと思うのですが、
今後も不自由な生活を強いられますね。
昨夜は隼人バージョンの『オグリ』を見ましたが、
私の出番はありませんでした（笑）
その分、カーテンコールでは猿之助バージョンよりは
かろうじてよく見える位置で映っておりました（笑）
カーテンコールが終わり 最後の全員での舞台上での集合写真は
今ではもう 遠い昔のような気がして嘘のようです、切ないですね。
２時間弱の隼人バージョン
猿之助さんのフルバージョンを見てからでないと
初めてご覧になられる方は お話がよく分からないかも知れません
３月の南座公演の時に 書こうと思っておりましたが、
残念ながらその機会が なくなってしまった内容なのですが、
YouTubeでのご視聴が 少し楽しくなるかも知れない小ネタを
今日はご披露。
横山家のお話です。
今回の『オグリ』では、照手の婚礼は横山一家が公家の高倉家と勧める
家と家とのつながりを強くするための政略結婚で
照手の意志は全く入っておらず、照手はそれに反抗して
家を飛び出した・・・
という設定になっておりますのは、皆様ご存知の通り。
それをオグリこと藤原正清に助けられ 愛が芽生えるという流れになっております。
が、これは、『新版オグリ』の設定です。
では、以前はどうだったのか？
猿翁旦那の『オグリ』では 藤原正清が一方的に照手に惚れてしまい、
一途に向かっていくと云う設定でした。
まずこの時点で全く違うでしょ？（笑）
結ばれてしまった二人に対し 横山家の怒りは収まらず、婚礼と偽り
正清と小栗十人衆を招いた日に食事に毒をもって殺害してしまいます。
そして、その後に横山修理太夫は息子三人（前回は三人）を呼び
同等の罪である照手姫も、牢輿に入れて相模川に沈める罰を与えます。
「親の許し」を受けず 二人は暴走してしまった・・・。
照手の父である 横山修理太夫はその節度のなさ 仕来りのなさ、
秩序を軽んじてしまった二人を 許せなかったのです。
ここの描き方は、今回よりも前回の描き方の方が関東武者の武骨ぶりを
よく表していたと思います。
今回の『新版オグリ』でも、「関東武者」と云う台詞が出て参りますが、
それをずっと重視して、それゆえに 娘をも同じ罪にする。
それこそが「関東武者」としての横山家の誇りというか心情
だったのです。
ただ、現在ではこの仕来りの厳しさは分かりにくいかも知れません
私たちは、初演再演と繰り返して演じて来ましたので、その辺りは
わかっていたのですが、もしかしたら猿翁版『オグリ』の中では
ちょっと時代と合わなくなってきたのでしょうか？
今回は、無理強いされた婚姻、そしてそこからの逃亡。
照手は以前よりもずっと自分の意志を持って 行動的に描かれております。
少し形は違っておりますが、古い「関東武者」を貫く横山家と
新しい個人の「歓喜」を求める 小栗党との比較は、同様だと思います。
今回、照手への罰も、高倉家から言い渡されたと云う形をとってますが、
おそらく、それを云われなくても 横山修理太夫は自ら娘を
罰していたと思います。
それこそが、横山家の「関東武者」としてのけじめなのです。
そして、小栗判官を殺し、娘も同罪として自らの手で罰を下し、
その上で自分自身は 出家をした横山修理太夫。
修理太夫の生きざまもまた、小栗党とは相いれませんでしたが、
一つ芯の通った格好いいものだったのではないかと思います。
娘が憎かったはずはありません。
娘を愛し、関東武者である自らを愛し、誇りを持っていたからこその
処遇だったと思います。
今回の設定と前回までの設定。
知らなくても 全く問題はないのですが、知っていたらきっと
また違った感じ方が できるのではないでしょうか？
是非、一度と云わず 再び三度、動画見てみて下さいね。
きっと 修理太夫に対しての 感じ方も違ったものになるのかも
しれませんよ。
「そこに、アイはあるのか？」・・・（笑）
どこかのＣＭの言葉ではないですが、仕来りと云う枠からはみ出た前回の二人と、
自分と云うものを持っていた故に 横山家の怒りをかった二人。
時代と共に微妙に描き方が違うのも 面白いな～と
『オグリ』のYouTube配信を見ていて思いました。