今日は 先日、日曜日に放映された佐々木蔵之介さんの
『陰陽師』の感想を書かせて頂きます。


野村萬斎さんの映画の『陰陽師』と比べてしまうと どうしても
伝統芸能に携わっておられるだけに立ち振る舞いが違います。
あちらはある意味、プロですものね。

ですが、私は佐々木蔵之介さんもかなりレベルが高かったと思います。


と、申しますのは もちろん蔵之介さんご自身も時代劇には何本も出演され 
着物の着方などはもちろん 慣れておられるとは思いますが、
『超高速参勤交代』や『リターンズ』の様に時代劇と云えど 裃や紋付き袴は
現代の普段でも着ますし 映画の中ではドロドロなったりして
洋服と何ら変わりはありませんよね。


ですが、平安時代あたりのお公家さんの装束は 
着こなすのになかなか難しいものがございます。


安倍晴明や源博雅が来ていた装束は「狩衣(かりぎぬ」と申します。

 

本来はその名の通り お公家さんなどが 狩りなどに行く時に着たものですが、
活動的であるために わりと普段着として着用されておりました。


従いまして、着慣れる事が大事なのですが、テレビや映画の撮影の場合
その時だけ着る事が多く 着たままで過ごすと云う事があまりありません


ですが蔵之介さんの場合 スーパー歌舞伎セカンドの初演『空ヲ刻ム者』で
猿之助さんと共演されておられ 約2か月間 昼夜公演でこの装束は
わりと長い間 着ておられました(笑)

もちろん 猿之助さんからのアドバイスもあった事でしょう。


私もご一緒させて頂いてわりとお話させて頂いたのですが、
舞台に出る前から舞台上 1幕が終わるまで1時間くらいは
衣裳を着っぱなし と云う事になります。

 

 

それで2ヶ月くらい過ごしますから 着こなすと云う事に関しては
持って来いですね(笑)

自然と立ち振る舞いも自然になり とてもお公家さんらしく
落ち着いて見えました。

 

お話も平将門の首に纏わる因縁やその娘 滝夜叉姫 
ムカデ退治で有名な俵藤太(藤原秀郷)なども登場して、
歌舞伎にもなじみの深い人物がたくさん登場致しました。

 

『金幣猿島郡(きんのさいさるしまだいり)』にも出て来る
エピソード的なところもあり なかなか楽しめました(笑)


怨霊などの、おどろおどろしい因縁噺は将門の
「相馬の古内裏」のお話でしょうか? 

歌舞伎でも常磐津『忍夜恋曲者(将門)』は有名なところですね。


佐々木蔵之介さんの『陰陽師』
歌舞伎を知っていると、さらに面白かったと思いますよ(笑)