今日、朝のブログを書いている最中に窓の外は雨から霙に変わり
そのうち雪となり お昼ごろには深々と降って参りました。

 

 




驚きました。

 

普通は明け方に降って 段々雨になってとけて行くパターンの中
雨からだんだん霙となり それから雪に変わって行く珍しいパターンでしたね。


気温もグッと下がり 本来なら桜と雪を見に行きたいところ・・・。

外出自粛でジッと我慢しておりました(笑)

 

散歩くらいは許されるのでしょうが、果たして桜と雪が不要不急か??

と思ってしまいました。


今日の外出自粛要請で みんなが表に出ないようにと
天も味方したとしか思えませんでした(笑)

 

 

 

桜と雪、この両方ですぐに歌舞伎の演目が浮かぶ方はかなりの通。

さて何でしょう? 


遠山の金さんの刺青「桜吹雪」ではありませんよ(笑)

 

狂言名は


『積恋雪関扉』 

 

(つもるこいゆきのせきのと)と読みます。

ある通し狂言の下の巻 通称 「関の扉」は 常磐津の名曲ですね。


逢坂の関の関守 関兵衛は、実は天下を狙う大伴黒主。

 

時が来た事を知り 逢坂の関に咲く小町桜を切り 護摩木を焚いて
成就祈願をしようとすると 途端に五体が痺れ 動けなくなったところへ
ある遊女が現れます。

 

名は墨染、

 

実は小町桜の精で 恋人を大伴黒主に殺されており その恨みを晴らすために現れ 
大伴黒主と争うのでした。


初演は1784年(天明4年)

 

あまり、通し狂言としては上演されませんが、下の巻『関の扉」だけは
度々上演されております。


ですが1987年4月明治座で1度だけ、猿翁旦那が通しを復活上演されました。


その時の狂言名題が『重重人重小町桜』


ここでまたクイズです(笑) これは、なんと読むでしょうか?

答えは 今日のブログの一番最後に。


この当時での4月明治座の公演では 古典歌舞伎の復活上演を
多くしておりました。

 

もちろん私も出演しておりました。

黒四天、花四天、亡霊の公家にも出ていたかな?

 

 


そして桜と雪、 と なると忘れてはならない方が・・・。

 

『関の扉』の小野小町姫と墨染の精の二役を得意とされた、六世中村歌右衛門丈。

 

2001年(平成13年)3月31日に お亡くなりになられましたが、
この時、桜が満開で 雪が降っておりました。


役者仲間で岡本町(おかもとちょう・・大向うの屋号の代わりに呼ばれておりました。)
墨染と共に この世を去って行ったね・・・と。


今日は19年ぶりの桜と雪でしたでしょうか?

 

自然界は 得体のしれない病原菌を発生させたかと思うと、

替わって 桜満満開に雪化粧とは 粋な計らいを致しますね。

 

現在、世田谷文学館にて歌右衛門さんの展覧会が行われております。

 

東京に帰って来たら、行きたいなと思っていたのですが、

タイミングを逃してしまいました。

4月5日までなのですが、期間延長されないかなあ。。。

 

【答え】

 

『重重人重小町桜』

(じゅうにひとえこまちざくら)と読みます。

 

この外題もまた、粋なものです。