9年前の今日は東日本大震災の日。


やはり南座で『独道中五十三驛』を上演しておりました。

珍しい私の大敵のお役、赤堀水右衛門でした。

緊張の毎日が続く中、普段とは少し違った気持ちの中、

その瞬間をむかえてしまいました。

 


ちょうど2幕と3幕の幕間でしたでしょうか?

「かなり揺れたなあ〜」

 

と床山さんと話したのを覚えておりますが、その揺れそのものに

気づいていない人も多かったのを記憶しております。 

京都で地震は珍しいなあ、と思っておりましたら、震源地は東北との事、

びっくりしました。


京都であんなに揺れたのだから、震源地はどのくらいと 思いましたが、

その時にはまだ切れ切れにしか情報が入って来ませんでしたので、

全く全容はつかめないままに その日の公演を終えました。

 

 

その後に 夜のニュースを見て愕然としたこと。

確か当日は一回公演。

 

夕飯を外食してホテルに帰り、ちょっと体調を崩してしまいまして、

かなりの発熱の中、テレビの映像を見ていたのを 朧気ながら覚えております。

 

それでも、翌日はまだ全容はわかりませんでしたので、普通に幕は開き、

なんとか熱を下げ、舞台をつとめました。

 

 


あれから9年ですか?

次の日でしたでしたでしょうか?
舞台にてお客様に呼びかけて 義援金を
お願いし、かなりの金額を寄付して頂きました。


義援金 もちろん私も参加させて頂きました。

また博多座の『ワンピース』の時には熊本地震が起きましたね。

これらは起きたとしても、天の災害。

今回の新型コロナは出口の見えない つかみようのない災害。

今日の初日が延期になったために、また4日間のお休みとなった今月、

出演者のみんなも何をしようか悩んでおります。

私も1Kのマンションに居ても、気を紛らわせるものもなく 塞ぎこむだけですから、

大阪の家人の実家にお邪魔する事にしました。

 

空間に癒されます。

まだ、出口のわからない状態が続きますが、何年か後にあの時は、

こんなだったね、と 話せる日が来るといいのですが・・・

 

そして、初日を迎えること、千穐楽を無事に終える事の難しさを痛感した今。

舞台に立てる喜び、ありがたさ、幸せを感じつつ、初日を待とうと思います。