歌舞伎座の『本朝白雪姫譚話』も だいぶ慣れて参りまして
お芝居の流れも 心地よいものになって来たのではないでしょうか?

 

私も初日以来のドキドキ感も少しは解消され(笑) 
ここのところ 楽しく勤められるようになって参りました。

 


この『本朝白雪姫譚話』のお芝居 どちらかと申しますと、
ディズニー・アニメの『白雪姫』より グリム童話の原作に
より近い作品となっております。

 

アニメの『白雪姫』では 美の嫉妬に狂うのが継母と
なっておりますのが お芝居と原作では実の母です。

 

そしてアニメでは 毒リンゴを食べさせるために
老婆に化けて白雪姫に近寄り 食べさせた後 逃げる時に
七人の小人によって追い詰められ 崖から転落してしまい
継母は老婆のまま死んで参りますが、グリム童話では
さらに恐ろしい結末になっております。  


元々原作での七人は翻訳にもよりますが 小人と云うより

お芝居通りの妖精的な存在でしょうか?

 

ディズニー映画での七人が印象的になり 

どうしても 小人と云う表現になってしまったのでしょうね。

 

 

実母は猟師(お芝居では家来)に白雪姫を殺させ 肺と肝臓を
持って来いと命令し これを料理して食べてしまいます。

 

ですが これは猟師が白雪姫を助け やむにやまれず
替りにイノシシの肺と肝臓を用意します。

 

この計略が露見した後 実母は自ら白雪姫を殺そうと致します。


実母はまず毒リンゴの前に腰紐売りに化け この腰紐で白雪姫を
絞殺そうとしますが 妖精たちによって失敗します。

 

次に櫛売りに化け この櫛に毒を塗っておいて殺そうとしますが、
これも七人の妖精たちに阻まれてしまいます。

 

 

今回のお芝居では腰紐の件はございませんが、櫛を簪に替え
毒リンゴの件と共に 2度の接触は活かされております。

 

毒リンゴを食べた後、死んだと思った白雪姫ですが
原作では通りかかった隣国の王子が あまりの美しさに死体でもいいからと
連れて帰ろうと抱き上げた時に 喉に挟まった毒リンゴが落ち 
白雪姫が目覚めました。

 

アニメでは唇への口づけですよね(笑)

 

原作では喜んだ王子はそこで隣国へ連れて帰り 結婚式を挙げます。

その披露宴の折に実の母を呼び寄せ 真っ赤に焼けた鉄の靴を履かせ 
死ぬまで踊り狂わせた、と云うすごい結末(笑)

 


これ?本当の『白雪姫』の物語? と思わせるほどの展開です。

 

ディズニーはこれを嫌い オブラートに包んだような
『白雪姫』の作品にしたのでしょうね(笑)

 

 

さすがにお芝居では、原作の最後の件はありませんが
目覚めた白雪姫と王子が結ばれると云う所で終わっております。


童話と云え 原作を本当にそのまま子どもさんに
読んで聞かせたとしら お子さんたちは
どのような感想を持つでしょう?(笑)

 

 

ディズニーの『白雪姫』が作られたのは4年かかりで 完成は戦前の1937年

 

日本ではやっと白黒のトーキー映画が主流になりつつある時に
アメリカではフルアニメのカラー作品でミュージカル的な
『白雪姫』がすでに作られていたのです。

 

私が初めて見たのはリバイバルで 
小学校2年生くらいの頃でしたでしょうか?

 

私が生まれる はるか前の作品と云う事も驚きですね。

 

お芝居とアニメの『白雪姫』

 

もう一度 ディズニーの『白雪姫』も見たくなりました(笑)