3日間、お芝居の『オグリ』を離れ 時代背景である藤沢の
遊行寺と近辺に関連するお話を書かせて頂きました。

 

 

 

今日のブログの内容も その場所に近いです。

実際にその地を訪れますと、物語の位置関係が 気になりますね(笑)

皆さんも、物語の所縁の地めぐり、是非してみて下さい。

 

若干のネタバレがあるかも知れませんので、相変わらずのご注意を。

 

 

第1幕の最後 小栗判官と、云い交わした照手姫が 父 横山修理太夫の逆鱗に触れ

牢輿に入れられて 相模川に沈められようと致しました。

 

ところが 鬼王・鬼次の機転により 沈めるための重しを外され 

ただ流されたただけとなり、何とか生き延びることができました。

牢輿の行きついた先は上総の国 もろこしが浦。

 

 

相模川は藤沢の西、平塚あたりの川ですから その上流から流されて

下流から海に出て 相模湾を過ぎ 三浦半島から浦賀水道を抜けて 
今の袖ケ浦か富津あたりに着いたのではないでしょうか?

 

「もろこしが浦」は架空の地名ですが、このあたりは とうもろこしが、
よく取れると云うので もろこしが浦と云う 
地名が使われたのかも・・?(笑)

 

ずいぶんと長い距離を流されたものだと思いましたが、

昨今の台風の影響で八王子や狛江 二子玉川などの
河川の上流で被害にあった家屋や木材が 多摩川に流され
東京湾を経て それが富津や木更津に流れ着いているとか・・・?

 

それを考えますと、照手がそこまで流されたと云うのも、決して

あり得ない話ではございません。

自然の力は人の想像を超越しておりますね。

 

 

また、そこから照手は人買いに売られ 青墓(岐阜県)の近江屋まで
渡って参ります。

 

歌舞伎『雙生隅田川』でも 私の勤めていたお役が上総の人買い(笑)

このあたりには中世 人買いが横行していたのでしょうか?

 

小栗判官と同じ中世の説教節に、やはり人買いに売られた

安寿と厨子王を主題とした森鴎外さんの「山椒太夫」も有名ですね。

 

人の運命を弄ぶ人買い、こう云った人物たちが横行していた
時代もあったのですね。

 

 

 

もろこしが浦の婆さんたちもこう云った悲惨なお話に関係していたのでしょうか?

 

今日の写真は その婆さんのひとり、
喜猿さんのカキ婆(笑)

 

 

 
 
いかにも意地悪そうな婆さん こんな人どこかに居そうですよね。
 
老若男男入り乱れての 婆さん軍団。
喜猿さん自身は いつのまにやら すっかり中堅世代になりましたが、
婆さん軍団の中では まだまだ若手になりますね。

 

この婆さんもフグ婆(下村青さん)を気持ち的に追いつめる
嫌な婆さんのひとりです(笑)