今月の歌舞伎座、三月大歌舞伎も中盤になって参りました。

3日が初日ですので明日15日が中日、
本来は1日か2日が初日ですから
いつもより中日までが長く感じられます。

この2・3日の感覚 大事なのですよね。(笑)


このあたりに来ると気になりますのが、来月の出演劇場なのですが
まだお達しが来ておりません

実は大方ここだろうなあ?と予想していたところが
あるのですが、他の方が先に打診を受け 私はまだでしたので 
どうやらそこは違ったようです。

毎月、この時期 早く引導を渡してくれ! 状態です。(笑)
私の来月はどこ~?(笑)



それはともかく『女鳴神』の花道の出の前 
私たちも孝太郎さんも だいぶ余裕が出て来たみたいで 
時々お話をさせて頂いております。

そんな中で昔のお話をさせて頂きました。


1975年(昭和50年)8月南座『花形歌舞伎』でのお話。

出演者は我當さん 秀太郎さん 孝夫(現仁左衛門)さん三兄弟に
玉三郎さん 上置きに十三代目仁左衛門さん


その時に『新口村』が出て居りました。 
十三代目仁左衛門さんの 忠兵衛と孫右衛門の二役早変わり 
秀太郎さんの梅川 我當さんの忠兵衛吹替 

この大詰めに私は役人と一緒に追って来る捕り手を勤めておりました。


そのあと、孫右衛門の見送る中 遠見の忠兵衛と梅川が登場して
舞台奥を逃げて参ります。

この時の遠見の梅川が孝太郎さんでした。忠兵衛は進之介さん

この時、孝太郎さん小学校1,2年生?

「猿三郎さん 私の遠見の梅川 ご存知なのですか?」と
驚かれたようです。(笑)
ご存知どころか、一応同じ演目に出て居りました(笑)


遠見と云うのは、大人のお役を子役が演じる事です。

所謂 舞台の奥行きを出すために遠近感を利用する
歌舞伎独特の演出方法です。

将来この二人が また忠兵衛と梅川を演じるのかなあと思いながら
毎日見ておりましたのも ついこの間のような気が致します。



私もずいぶん色んな方の子役時代を・・・いや 生まれる前の事も
知っておりますね。(笑)

猿之助さんしかり 勘九郎さん 七之助さんしかり・・・。


ちなみに、この孝太郎さんが遠見の梅川をされた時、
勘九郎さん、七之助さんは言うに及ばず・・・

猿之助さんすら生まれていない時のお話です。
そう思いましたら ついこの間どころか ずいぶんと昔です。


  
もう一つちなみに・・・
この時、『新口村』は夜の部の2番目の出し物。
1つ目は、現仁左衛門(当時孝夫)さんと玉三郎さんの『鳴神』が
出て居りましたというのも また 不思議なご縁ですね。

その舞台では 私は所化で出ておりました。

今を遡る事、43年前のお話です。


そんなお話をした後の 今日の『女鳴神』の舞台でした。