今月、夜の部に上演されている『盛綱陣屋』についても 
過去に何回も書かせて頂きました。

本来の主人公 佐々木盛綱は真田信繁(幸村)の兄 真田信幸で、 
和田兵衛は後藤又兵衛 北条時政は徳川家康だと・・・。



当時 徳川幕府の江戸時代に豊臣方の武将を主人公にしたお話は
幕府に遠慮して上演できませんでした。

しかし民衆のエネルギーはそれを踏まえたうえで 名前と場所を変えて
上演されたお芝居を楽しんだ、・・・と 

詳しくは2016年7月19日のブログをご参照ください。



今日はここから発想を飛ばしまして 少し違う方向からのお話です。

2016年の大河ドラマは『真田丸』
真田信繁(幸村)を主人公にした大人気のドラマでしたね。(笑)

ここで登場した佐助(藤井隆さん)は、所謂「真田十勇士」の一人 
猿飛佐助かな? 

でも、このドラマに「真田十勇士」は登場しませんでした。


歌舞伎の中で忍術使いが登場する『南総里見八犬伝』や
『金門五三桐』の石川五右衛門などは、江戸時代に書かれております。

同じような題材の「真田十勇士」は、なぜ歌舞伎に登場しないのだろう?
と思い 調べてみました。


「真田十勇士」が講談や文庫本で登場するのは明治に入ってからみたいです。

江戸時代の歌舞伎に 名前を変えてでもなぜ登場しないのか?
その訳がそれで納得しました。


もちろん 「真田十勇士」は実在の人物ではありませんし
そう云う意味では『八犬伝』のような架空のお話でも
江戸時代に書かれていたなら 当然歌舞伎化されていたでしょう。

真田大助 猿飛佐助 霧隠才蔵 三好清海入道 三好伊三入道
穴山小助 筧十蔵 根津甚八 海野六郎 由利鎌之助
(10人に於いては諸説あり)


忍術使いを含む 複数の主人公が登場する歌舞伎としては
『八犬伝』と匹敵するくらい 何よりのちょうどいいような
作品のように思えましたから・・・。

ちょっと時代が合わなかったのでしょうね。
なんだか残念に思います。



その後の映画やテレビなどでは時々「真田十勇士」が登場しております。

最近では勘九郎さんが猿飛佐助を演じた映画と舞台版の
「真田十勇士」も大評判となりました。

池波正太郎さんの『真田太平記』にも十勇士らしき人物が登場しております。


私たちの子供の頃は「真田十勇士」は家康に立ち向かう豊臣の
スーパー・ヒーローズだったのですが、今のお子さんたちは
「真田十勇士」そのものももう、ご存じないみたいです。

東映まんが祭りでの『少年猿飛佐助』なども、大好きでした。(笑)

NHKの大人気の人形劇でも『八犬伝』の次は『真田十勇士』だったのに・・・。



私はスーパー歌舞伎で『八犬伝』が大当たりした後、
次に作られるのは『真田十勇士』かな? と 思っていたのですが
『新・三国志』シリーズになってしまいました。(笑)

この『三国志』もNHKの人形劇で放送されておりましたね。

なぜか『真田十勇士』だけが、歌舞伎から漏れてしまっているのは
残念な気がしてならない私です。(笑)