今月、私 猿三郎が出て居ります「女鳴神」

云わずと知れた歌舞伎十八番の「鳴神」のパロディーです。

鳴神上人を尼におきかえ、鳴神尼。 

雲の絶間姫は雲野絶間之助と云う 男性になっております。
つまり「鳴神」と逆バージョンだと云う訳です。

このお芝居はネタバレと云うより 先に解説させて頂いた方が
ご観劇の際 お楽しみ頂けるかな?と思いました。


舞台も「鳴神」は京都の北山ですが「女鳴神」は奈良の
あるお山となっております。

もちろん架空の物語ですが「鳴神」は歴史的に
平安時代となっております。

それに比べて「女鳴神」は私、白雲尼が幕開きで
説明致しておりますが 鳴神尼はもとは松永弾正久秀の息女、
織田信長に滅ぼされた時代となっております。

「去年10月」と台詞で申しておりますので舞台は1578年、
天正6年と云う事になりますね。

松永弾正久秀は大阪に近い奈良県の信貴山城が居城で、
ここで信長に攻め滅ぼされ城は焼け落ちました。

そしてお芝居では、弾正の娘がその恨みを晴らさん為に尼となって
龍王ヶ峰で行法を行っております。

奈良に龍王ヶ峰と云う場所は、どうもない様ですが 
宇陀市に龍王ヶ淵と云うところがございます。

水面が鏡のように綺麗な湖があり「青葉の滝」と云う滝もある事から
どうも舞台はこのあたりか・・・? と。

ただそれほど険しい山の中にある訳ではありません

架空の物語でパロディーですから、年代も場所も
あまり特定する必要もありませんが・・・。(笑)

でもいつの頃で どこの場所かな?と 想定するだけで
物語がぐぅ~と面白くなって参ります。

そんなことも考えながらのご観劇も如何でしょうか?

ちなみに、松永弾正久秀は「金閣寺」と云う 
羽柴久吉が主人公のお芝居に大敵として登場致します。