昨日のブログで、またまたコメント欄に不具合が生じており
私も皆様のコメントを見る事が出来ません

ですのでコメントの返信も出来ずに申し訳ありません
お詫び申し上げます。 

昨日のブログのコメント、もしよろしければ、今日のものに
書いていただければと思います。



気を取り直しまして・・・。


今日で11月も終わり 明日からはいよいよ師走、早いものですね。

各演目のお稽古も佳境に入って参りました。

『幸助餅』も10時半から、舞台にての総ざらいが行われ
12時には終わってしまいました。

最近は1日も早く 舞台でのお稽古が多くなりました。

もちろん、役者連はその方がありがたいのですが、その分
大道具さんたちが 屋台などを早く拵えなくてはいけないので
大変ですね。

以前の歌舞伎座でしたら、大道具の背景を描いたり 
屋台を組み立てたりするのは 舞台で拵えていたので
なかなか舞台が使えませんでした。

今の歌舞伎座は別に、大道具の制作をするところもございますので
お稽古に干渉しなくなりました。

その分早く舞台が使えると云う訳です。(笑)

前の歌舞伎座と大きな違うところです。

ですが、前の歌舞伎座どころか ず~っと以前から歌舞伎では
変わらないものもございます。

歌舞伎座の楽屋入口を入りますと、玄関があり 上履きに履き替えると
まずしなくてはならい事に、着到と云うのがございます。

頭取部屋の前に着到板と云うのがございまして、自分が楽屋入りしました、
と云う知らせですね。

ま 出席簿と思って頂ければわかりやすいでしょうか?

写真をご覧下さい。

イメージ 1


檜の分厚い板に、1番目の狂言演目に出演している人から
演目別の順番に 各自の名前が書いてあり その上には穴がございます。

ここに木のピンを押し入れて 自分が着た事を知らせます。

頭取さん(写真は吉井さん=澤村紀世助さん)は、誰が来ているか?
まだ来ていないかを チェックしております。(笑)

(この頭取さん どういう訳か? いつも年配の役者さんが
担当する事になっております。 ですから頭取をしながら 
舞台に立っている時もある訳です。)

出番に間に合わない人が居ると 大変ですからね。(笑)

劇場によっては、テレビの『相棒』の特命係のように 表裏の名札を
ひっくり返して 知らせるところもございますが、歌舞伎では必ず
この着到板が使われます。

この着到板、はじめはとても分厚い檜の板なのですが 
毎月千穐楽が終わると板を削って、書いてある墨の文字を消し 
次の月の名前を狂言作者さんが書くのが習わしとなっております。

ですから分厚い檜の板は、1年に12回削られる訳ですから
使えなくなるまでには 何年かかるでしょうね?(笑)

明日から師走、ゆえに當という文字が書かれてございます。 

この當と云う意味は、縁起物として興行の大当たりと、
興行の顔寄せが、前の月のお稽古日になりますから、
来月の、と云う意味にも当てられております。

明日からはもちろんまた、この着到版にお世話になります。(笑)