11月22日。今日は「いい夫婦の日」

独身の方には、どうでもいい日ですね。(笑)

結婚した時は誰でも、いい夫婦になろうと思っている訳ですが
それが現実では、なかなか難しい事だと実感している方も
多いのではないでしょうか?(笑)

かく云う私も、その一人でしょうか?(笑)



歌舞伎の中でも・・・と 云って私ですら全ての歌舞伎を
知っている訳ではありませんが「いい夫婦」と云うのは逆に
あまり思い浮かびませんね。

なぜかと云うと 夫婦が悲劇になると云うお話の方が多いからです。

そんな数少ない「いい夫婦」でも まず思い浮かぶところでは
『壺坂霊験記』のお里沢市ですね。  

お里が沢市の目の見えない事をなんとか治そうと三年間 明け方に 
観世音に祈願に通っていたのを、男と会っていると、誤解した沢市は
お里に詰め寄ります。

誤解だと分かると沢市は恥じ入り 今度はお里の事を思い、
自分が居るから幸せになれないと崖から身を投げます。 


お互いがお互いの事を思う気持ちに観世音菩薩が現れ 沢市を助け
さらに目まで見えるようにしてくれると云う 典型的な夫婦のお話し。(笑)


夫婦二人が幸せになる、と云うのはこれくらいでしょうか?
すぐには思いつきません


「いい夫婦」としては『ぢいさんばあさん』があげられますが、
云い様のないアクシデントに阻まれ 別れ別れとなり
二人で居た時間は、かなり短い美濃部伊織とるん


ひどい所では『東海道四谷怪談』
出世のために 恋焦がれて一緒になった女房のお岩さんを殺す民谷伊右衛門。


『仮名手本忠臣蔵』の五・六段目では夫勘平のために身を売る女房お軽。
その後の悲劇は皆様ご存知の通り。


『関取千両幟』と云う相撲界を舞台にしたお芝居でも 
夫の稲川を勝たせるために懸賞金として身を売る女房おとわ。

歌舞伎ではわりと夫の為に苦界に身を沈める女房が多いですね。



『當世流小栗判官』の判官と照手姫も 苦難の末にやっと夫婦になりますが、
幸せになる、と云うところで終わってしまいます。(笑)


舞踊では澤瀉十種のうち『夕顔棚』これは何でもない年よった夫婦の
夏涼みのほのぼのとした踊り。(笑)

他にもまだ、たくさんあると思いますが、どうも思いつきません



独身の方には申し訳ない今日ですが
「いい夫婦」の日にちなんで、歌舞伎の中で「いい夫婦」を
探してみては如何でしょうか?