1994年(平成6年)7月の歌舞伎座公演のお話。


昼の部のひとつ目に、段四郎さんの弁慶での
『御摂勧進帳』

そして猿翁旦那の法界坊で『隅田川続悌』

夜の部に『雙生隅田川』の通し狂言でした。



『隅田川続悌』と『雙生隅田川』

決してつながっているお話ではございませんが、
時系列的には 『雙生隅田川』のほうが 先のお話になりますが、
実際の 歌舞伎座では この順番になっておりました。


まあ、これも 「あり」なんでしょうね。




この時、菊五郎さんの班女の前 亀治郎(猿之助)さんの梅若丸 松若丸。

猿翁旦那の七郎天狗と共に、三人宙乗りが話題になった事は
先日に書かせて頂きました。


・・・・と下書きまでは 書いていたのです。


あれ??と思われたお客様がおられましたら、正解!!!


私の記憶の中で 時系列が ごっちゃになっておりました。

この時の猿之助さんは もう大学生。

まさか、『雙生隅田川』の松若丸、梅若丸はできるわけがございません。



猿之助さんの 松若&梅若は 1985年、その時よりも9年前です。


当時9歳だった猿之助さんと 18歳になった猿之助さんは
大きく変化しておりますが、私の中での24年前と33年前は
もう・・・・同じようなものになってしまっております。


記憶力というのは 恐ろしいものですね(笑)




ただこの1994年の公演の時の幕切れは、
七郎天狗と小天狗十二人との 大花火の中での激しい総踊りでした。(笑)

これも書かせて頂きましたね。(笑)



昼の部の『御摂勧進帳』では私、義経(右近=右團次さん)の
四天王のひとりで『隅田川続悌』では、何と幕開きの女形
荵売りを段之さんと共に勤めておりました。(笑)

野分姫は春猿(河合雪之丞)さん 奴五百平は段治郎(喜多村緑郎)さん

ついこの間と云う感覚ですがもう、24年も前ですか?(笑) 
本当にアッと云う間ですね。(笑)



今回幕開きの荵売り二人は笑野さんと猿紫さんが勤めて居られます。

でも笑野さんと猿紫さんも今ではもう、この当時の
私と段之さんの年齢に近いのですね。

10代でおもだかやに入門されたお二人 これも驚きです。(笑)


今日の写真は私も勤めました荵売りのお二人です。

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ただ二人の衣裳とかつら 当時の私たちとはだいぶ違っており
とても綺麗です。(笑)


私たちは京都の大原女のような衣裳で、かつらも馬のしっぽと呼ばれる、
首の後ろで髪を束ねたようなかつらでして、今回とはだいぶ違いました。


これはやはり当時の私たちより 今の二人の方が若くて綺麗で 
与えられる衣裳が違って来て、かつらも違い 
得しているような気がするのは、私の嫉妬でしょうか?(笑)