松竹座10月公演、昼の部の『華果西遊記』 

この演目は、おもだかや型としましては、2000年12月歌舞伎座におきまして
上演されたのが初演でして、今回で7回目を迎えます。

ただ、通し狂言『千成瓢猿顔見勢(出世太閤記)』として、羽柴秀吉が見た
夢の中として、孫悟空が登場した時がございました。

この狂言、東京明治座と大阪は梅田コマ劇場で上演され、孫悟空(猿翁旦那)が
宙乗りで引っ込んだ後、小猿二匹が後を追いかけて宙乗りで入る、
と言う演出が試みられました。

猿が三匹で三つ猿!(笑)

この小猿二匹を若き日の私と、猿十郎さんが勤めておりました。(笑)


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写真は、猿之助の歌舞伎講座という本の中にございます。

ここから、2000年12月の『華果西遊記』としてお話が膨らみ、
演目として一本立ち致しました。


翌年、2001年12月には『続編華果西遊記』として
全く別のお話でも上演されております。


さらにこれ以外にも2002年6月中日劇場では『西遊記』として、
今回の『華果西遊記』のお話に 前の部分が加えられまして
あばれん坊の猿の悟空が都で大暴れをして 三蔵法師から頭につける輪を
授けられ 暴れるとその輪が締まり 悪さができないようになると云う場面

そして天竺まで仏教の経典をとりに出発する と云う場面が書き加えられ
通し狂言として、3時間半の演目となった時もございました。

私も、初演では綺麗な官女ならず 醜い官女役で出演しておりました。(笑)

ちなみに醜い官女は猿十郎さん、私、欣弥さん 猿四郎さんの
とても個性的な4人で、綺麗な官女は段之さん 芝のぶさんでしたね。(笑)


その後は私も、何回か綺麗な侍女 実は蜘蛛の精の手下の侍女として 
隈取を取って出演した事もございました。(笑)


2012年2月の博多座『華果西遊記』では、後半にさらにお話が少し増え 
私は山賊の熊鷹長範として登場し 最近の2回くらいは

綺麗綺麗な侍女は若手の人たちにバトンタッチをして
お役御免になりましたが・・・。(笑) 

思えばこのすべての『華果西遊記』に携わって参りましたが、
今回初めてこの『華果西遊記』に出番がなくなって参りました。(笑)

時の流れは、こうしたもので仕方ありませんね。(笑)