昨日のブログで 獅童さん 七之助さん 中車さんのお三方は
『東海道中膝栗毛』の中で、早変わりで幽霊も含め 六役ずつを
勤めておられる事を 書かせてもらいました。


他のお芝居でも、中車さんはお役の他に、幽霊が含まれております。

『心中月夜星野屋』も『盟三五大切』でも、本役が幽霊に扮する場面が
出て参りますね。


歌舞伎の中で違う演目が並びながら、狐尽くしであったり、
桜尽くしであったり、心中尽くしであったりする事は 
よくある事ですが、おひとりで幽霊尽くしは珍しいですね。(笑)


中車さん 襲名されてからもう6年になられますが、
テレビドラマやCM そして「昆虫すごいぜ」の香川照之さんと
どうも同じ人物に見えません(笑)

そして今や歌舞伎の世界になくてはならない方になられました。


ご子息の團子ちゃんの成長も著しいですね。
弥次喜多に意見を云う政之助は、梵太郎(染五郎さん)と共に
弥次喜多のレギュラーになりました。(笑)

14歳と云う事は、まだ中学生ですか?
私の身長抜かれ もうすっかり大人だと思っておりました。(笑)

おもだかやのこれからが とても楽しみな少年です。


今日の写真は『盟三五大切』での中車さん

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ブログ用の写真をお願いしましたら、うしろから背後霊ならぬ。
にゅ~っと米吉さんが・・・。(笑)


撮っておりました私は 気が付きましたが、中車さんはおそらく
気づいておられないでしょう。

もし、このブログをご覧になられることがあったとしたら
それこそホラーでしょうか?(笑)



三部での お役は、六七八右衛門(橋之助さん)が引越して来た長屋、
四谷鬼横町の長屋の大家さん事 くり回しの弥助。


ここの長屋、以前は四谷怪談の民谷伊右衛門が住んでいたという設定
つまり設定的には お岩さんはここで殺された事に・・・。

ですから、幽霊に扮して店賃だけを先に受け取り 早く借主を
追い出そうとする悪徳大家。(笑)


ですが、これでは話は終わりません
そのあたりが 南北の面白いところであり、難しいところでもありますね。

実は七之助さん扮するところの小万の兄。

小万と三五郎(獅童さん)を 殺そうと思った薩摩源五兵衛(幸四郎さん)の
持ってきた毒酒を 知らずに飲んで、殺されてしまいます。

因果応報と云うのでしょうね。
ですが、そんなに悪いこともしていないような気も致しますので、
ちょっと気の毒??


『小栗栖の長兵衛』に似たこう云ったお役 どこか憎めない悪党
大家さんのようなお役 中車さんのあたり役となって参りました。(笑)