今日が終わりまして『八月納涼歌舞伎』もあと五日ですか?

『東海道中膝栗毛』のネタバレも どんどん出していきましょう。(笑)



弥次さん喜多さんの、幸四郎さん 猿之助さんのコンビは
もちろん主人公ですが、このお芝居の面白さはむしろ、
脇役陣とその他と云われる登場人物全員に寄るところが多いです。


獅童さん 七之助さん 中車さんの3人は必ずトリオで登場して
何役もこなし、お客様を呆気にとらせます。(笑)

最初に登場する時は、獅童さんの一昨年の1回目に登場した大岡伊勢守 
去年の2回目に登場した七之助さんの女医羽笠先生、
そして中車さんの釜桐左衛門


それから早変わりで お染、久松、母貞昌、
またまた早変わりで 将軍徳川家斉、御台所寧姫、老中水野忠成、
さらに早変わりで喜多八の父母兄、 

そして地獄の使者の3人。

序幕だけでも次から次へとこれだけ 目まぐるしく早変わりで登場致します。(笑)


次の場面では赤尾太夫の花魁道中に振袖新造、太鼓持ち、遣手婆ぁ・・で。

次から次から 3人が出てまいります。



これらの早変わりにはそれぞれ、衣裳さん 床山さん
それを手伝う付人やお弟子さんたち、


ひと組に数人が取り掛かり 舞台裏は至る所が拵え場でして、
暗転や舞台が回る時などには 大道具さんの舞台転換の隙間を縫って 
拵え替えが行われております。(笑)


さらに五日月屋の奥座敷の場面では これにプラス数十人の
だんまりが行われますので、待機している舞台裏は
通勤電車のラッシュアワーの様です。(笑)

だんまりの最中でも、喜多さんはじめ 先の3人組の早変わりが
行われますので 段取りがつかない初日二日目あたりは
てんやわんやでした。


うっかり違ったところに スタンバイしてしまいますと、
自分のみならずあちこちに被害が出てしまいそうな そんな感じです。
毎日同じ時間に 同じところにいないことには・・・(笑)


ご覧になられたお客様はお分かり頂けるかと思いますが 
あの座敷の屏風裏に いったい何人が控えているか、
お分りですか?

想像して見て下さい。

さすがに舞台裏は撮影することができません(笑)


猿之助さんがお稽古場で云われていたのは、

「この場面 伊達の十役の高尾殺しの座敷と、次の場面の宝蔵寺堤の
だんまりの場面をごちゃまぜにして いっぺんに表現したい」・・と(笑)

猿之助さんならではの発想ですね。



そして後半の地獄の場面では 大宴会と称して各人の舞踊大会。

総踊りとしては 以前にも紹介しました阿波踊りが派手に登場致します。(笑)



全員が全員でお客様の受けを狙っております。(笑)

私の富士川の渡しの船も 乗客が居なくては船が動きません
あの人数でなければ(笑)
わかる人はわかりますよね。(笑)



全員野球と云う言葉を借りるなら、全員歌舞伎。(笑)

ちょっとあげただけでも、これだけの見せ場を登場人物全員
裏の仕事の人 スタッフ全員で作りあげております。

全員歌舞伎『東海道中膝栗毛』あと5回で終わりですよ。(笑)