先日、今回の「歌舞伎鑑賞教室」の『日本振袖始』に出演している
国立劇場養成科出身の研修生23期生5人の八岐大蛇の分身の写真を
掲載させて頂きました。

彼らの卒業は来年だそうです。

研修卒業生は時期によって違いますが、2年から3年の養成期間がございます。
ですから単純計算2年で46年間 実質は50年以上の月日が流れております。

卒業生もすごい人数になっておりますね。
すでに歌舞伎俳優の半分以上を占めているのではないでしょうか?

栄えある第1期生は現在の中村勘之丞さん 中村吉三郎さん 松本幸雀さん
坂東八重蔵さん もうすでに大ベテランの人たちです。

この人たちは私の先輩にあたりますが 私が歌舞伎に入った時期は
ちょうど2期生の頃 2期生と云いますと中村歌女之丞さん 中村梅花さん 
中村鴈乃助さん 中村山左衛門さん 中村小三郎さんあたり

そして3期生に市川猿十郎さん 中村京妙さん 中村富志郎さんが居りました。

ちょうど1976年(昭和51年)4月 国立劇場で上方歌舞伎
延若さんはじめ 十三代目仁左衛門さん 二代目鴈治郎さん 藤十郎さん
富十郎さんご出演で『金門五山桐』が上演されており この月に
3期生のみんなが今月同様 研修目的のためにこの演目に
全員本名で出演しておりました。

私も藤十郎さんのお手伝いをしていた時期です。

早いものですね。猿十郎さんは早くに亡くなられましたが、
後の方々は 今の歌舞伎になくてはならない人たちばかりです。

もちろん 他にも途中で廃業された方や亡くなられた方も大勢居られます。

歌舞伎の俳優は1年2年で、習得できるものではなく 10年20年の
育成期間がどうしても必要です。

現在、おもだかや一門でも国立劇場養成科出身の人は多く 筆頭の笑也さんは5期生 
澤五郎さんは6期生 段之さんは7期生 猿四郎さんは9期生 笑子さん 笑羽さんは10期生です。


そして若手の喜楽さんは20期生 笑猿さんや翔乃亮さんは22期生。

こう云った夢多かりし若手の人たちは、みんなこれから羽ばたいて行く人たちです。

歌舞伎のシステムも変わりつつあります。色んな人が色んな人を抜擢して・・・。

今月の23期生が、一人前の歌舞伎俳優に育つ頃 
そしてひとかどの役者になった時には ひょっとしたら歌舞伎座で
座頭を張っても居るかも知れませんね。(笑)

若い人たちと一緒の舞台に立てる事は こちらも若い気力をもらいます。
それを楽しみに 私もこれからもまだまだ頑張らねば・・・(笑)