昨日のブログ 七頭の分身 文字通り七つの「頭」ですが、
その頭を結って下さっているのは2人の床山さん

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普段の国立劇場での床山部屋は ここに6~7人の床山さんが並んで
作業をしておりますが、今回は出演者が少ないので 2人で済みます。

(別に女形の床山さんが 別部屋に1人 合計3人。)

ですから部屋もなんとなく 広く感じますね。(笑)

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今 のちの素戔鳴尊の頭を撫で付けて居るのは 女性の床山さん

八岐大蛇との戦いの最中での頭ですので、暴れを表現しており
髪の毛が逆立って居ります。


最近は衣裳さん 床山さんも女性の方が増え彼女も 床山さんの中でもベテランの仲間に入って参りました。

そして七つの分身の頭を撫で付けているのは 田村君

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後ろにその七つの頭が並んでいるのですが、数えてみると時蔵さんの
頭を別にして 八つあります。

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あれ? なんで八つあるのか・・? と 申しますと
昨日ご紹介しました通り 研修生の一人がダブルキャストなのです。


かつらの土台は、個人の頭の形に合わせてありますので 
誰かと兼用、と云う訳には行きません 

出演が少なくともそれだけで一枚のかつらが 必要となります。

かつらはひとつ、ふたつではなく 一枚、二枚と数えます。


そしてこれが、八岐大蛇の親玉の頭 つまり時蔵さんの大蛇のかつらですね。

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他の七枚(八枚)よりは だいぶ立派な作りです。(笑)
変化らしく金色の角が生えております。


このかつらは毎日の手入れが大変でして、なまけてしまうとすぐに、
鬢付けの油が髪の毛事体を侵してしまって 傷んでしまいます。

『日本振袖始』は登場人物は3人ですが、岩長姫と八岐大蛇、
前ジテと後ジテ、で2枚。

素戔鳴尊も前の烏帽子のかつらと のちのかつらで2枚。

八岐大蛇の分身がダブルもいれて8人 

そして稲田姫のかつら 解説を入れると私たち村の男4人と山賊がひとり。

やはり かなりのかつら枚数が使われておりますね。(笑)

床山さんの技術も一朝一夕には、習得できないものです。