今日はお芝居の話から少し離れまして 思い出話を書かせて頂きます。

毎朝見ておりますテレビ小説『わろてんか』

アホぼんが、父の藤吉と同じように詐欺師に痛い目にあいましたね。(笑)

みなさんも「危ない!それ絶対詐欺や!」とテレビの前で 
叫ばれたのでは ないでしょうか?(笑)

この『わろてんか』に登場致しますキースとアサリの漫才コンビ。

残念ながら北村笑店の戦略?思惑?でコンビを解散させられ 
どうなるのかな? と思いますが・・・。(笑)

私はモデルは、横山エンタツさんと、花菱アチャコさんかなあ・・?
と 思ってしまいます。

エンタツさんのトレードマークは 丸眼鏡とちょび髭。



古くからある三河万歳から脱却して 衣裳をスーツ姿にして
昭和の漫才をモダンなものに 変えられたのは このお二人だと思います。

ちなみに毎朝、字幕を利用しながら見ておりますが、
その折の字幕にもずっと「万歳」と云う字が使われていて、
そのあたりは ちゃんとこだわっているなあ~と
思いながら見ておりました。


このお二人の大学野球をテーマにした「早慶戦」は
漫才の歴史に残っておりますね。

キース・アサリの漫才の中で、この「早慶戦」を相撲に置き換え
パロディにして「大相撲」の漫才をしておりました。(笑)


若い方はエンタツ・アチャコのコンビはご存じないでしょうが
私ほどの年齢になりますと、このパロディが面白いです。(笑)

このエンタツさんの息子さんに ≪花紀京(はなききょう)≫さん
と云う喜劇役者が居られました。

関西にお住いで、わりと年配のお方なら吉本新喜劇でのご活躍を
ご存知の方も多いかと思います。


残念ながら2015年に亡くなられましたが、
私 この方とは父の関係で 何回も舞台でご一緒させて頂きました。

藤田まことさんの舞台で、旅役者を主人公にしましたお芝居、
その折に 父が歌舞伎指導を致しました 劇中劇『鈴ヶ森』では
芦屋雁之助さんの幡随院長兵衛に 花紀京さんが白井権八、
私は黒衣で付けを打っておりました。(笑)


またそれがご縁でこの後の 吉本新喜劇の巡業で
「人が足りないから手伝ってくれないか?」と
直接、私にご連絡を下さり お手伝いさせて頂いた事も 
懐かしい思い出です。

その時の演目は「にせ刑事」と云う吉本新喜劇では 
よく上演されていた名(迷?)作で 
私のお役は大学受験の高校生でした(笑)


このあたりの事は以前のブログ 歌舞伎での巡業公演地「丸亀の会館」
においても 詳しく書かせて頂いております。
検索して見て下さいませ。

あ、私のブログでの検索には必ず前に「猿三郎二輪草紙」または「二輪草紙」
と云うタイトルを必ず入れて下さいませ。

でないと、様々な方の膨大な量のブログが登場致します(笑)
 

この当時の吉本新喜劇の巡業は、3組の漫才の方たちと、
俳優さんが 花紀京さん 原哲男さん 藤井信子さん 芦屋小雁さん 他 
私を入れて10人ほどだけで バス1台にみんな乗って 
1日2か所~3か所を回ります。

これだけの人数ですから、小道具さん 音響さん 照明さんも居らず
俳優さん全員が みんな手分けして分担作業をしておりました。

3部制で 1部は漫才 2部は唄ありコントありのミニショー 
3部が吉本新喜劇で 私は2部の音響も担当しておりました。(笑)

各劇場・・と云っても市民会館もあれば ヘルスセンターや
それこそ体育館なんてのもありました。お客様も様々です。

歌舞伎で云う巡業とは少し違うのですが、いわゆる地方の寄席の興行と
云った方が 適当かも知れません


こんな中で私は音響として 毎回まるっきり違う装置の元で 
音楽のタイミングや マイクの調整をしていたのです。(笑)

それこそ歌舞伎を見に来られるような方ばかりではありません(笑) 
ずっと座って静かに見て下さるわけではありませんし、
会場によりましては お酒を呑みながら、食べながらの方を前に
舞台をつとめる事も多々ありました。
でもこの時 芸人さんたちの底力を見たような気が致します。

ハプニングやヤジにもすぐさま対応して 逆にそれをネタに
お客様を黙らせていきながら笑いを取る!

これはこれで凄いなあ~ と。
本当の「力」を間近に見せてもらった 貴重な巡業でした。


でも、これが後年 スーパー歌舞伎の演出助手にも繋がりましたね。

その時にはなんで? と思っていても やっている事には
無駄がないなあ~と この年になってからも思います。  
何もかもが 私の糧になっているのですね。


すごい遠縁のつながりですが、キース→エンタツ→花紀京さんと
『わろてんか』を 見ていると ふと思い出してしまう
若き日の吉本新喜劇の巡業でした。


そんな思い出があるからこそ、『わろてんか』は
芸人の気持ちからも、興行主の気持ちからも、裏方の気持ちも
色々楽しんで見る事ができます。