先日の日曜日放送の『西郷どん』を録画で楽しく見ました。

島津斉彬を相撲で打ち負かした西郷どん! お手討かと思われたのが
一転、ジョン万次郎まで登場してその面白さは 想像を超えております。(笑)

それに関連して、今月昼の部で上演中の『磯異人館』も薩摩のお話。

神奈川県生麦(なまむぎ…地名です)で事件が起きたのが1862年で
『磯異人館』はその後に、パリ万国博覧会(1867年開催)に薩摩藩が
薩摩切子を世界に紹介しようとするお話です。

薩摩藩の大名行列を汚したとしてイギリス人を無礼討ちにして
生麦事件を起こしたとされる、岡野何某(お芝居上では登場しません)は 
主人公 岡野精之介(橋之助さん) 周三郎(福之助さん)兄弟の父。

この処分で薩摩 幕府 イギリスの対応を巡って意見が対立して分かれ
その後 歴史では薩英戦争を迎え イギリスは薩摩に敗れております。

但し歴史の事実を踏まえての フィクションですのでお間違えなく・・・(笑)

薩英戦争の後 イギリスは薩摩に対して賠償金や保証問題で 
かなり薩摩を援助しますが イギリス人にとって 薩摩切子の製作者が
この岡野精之介と云う事実はかなりの難題となります。

『西郷どん』では現在 薩摩藩主は島津斉彬(渡辺謙さん)となり、
その異母弟の島津久光(青木崇高さん)の藩主説は 父 島津斉興(鹿賀丈史さん)
の隠居で一旦 据え置かれます。

島津斉彬は1851年に薩摩藩主となりますが わずか7年後の
1858年に没しております。

斉彬の次の藩主となったのが異母弟の島津久光で 4年後の
生麦事件の時の薩摩藩主は実に、この久光の行列だったのです。

『磯異人館』には西郷さんも大久保利通なども登場しませんが、
同時代のお話と思うと なんとなく身近なものに感じませんか?(笑)

お芝居とは舞台上だけの物語に捉われず その時代背景や 
同時期の人物を思い浮かべるだけで 違う味わいが出て参ります。

そんな『西郷どん』の時代を感じながら 別の意味で『磯異人館』を
ご観劇頂けると 面白いかと思います。(笑)