今日が終わりまして あと10回の公演を残すのみ。
やっとここまで参りました。来週の今日はもうお休みです(笑)



なんか休んでばかり居るようですが・・・(笑)
さて、ここでひとつ、難しい解説です。


マンガやアニメ、スーパー歌舞伎セカンドの『ワンピース』

「麦わらの一味」は海賊ですから、必然的に敵対関係となるのが海軍。

地上戦を行う陸軍に対して、海上での戦いを強いられるので
海軍ですが、一応 国の軍隊と云う事ですね。


率いているのが浅野和之さん演ずるところのセンゴク。
センゴクは「元帥」ですから、一番偉い人になります。

赤犬サカズキ(嘉島さん)黄猿ボルサリーノ(猿四郎さん)
青雉クザン(市瀬さん)は、海軍「大将」。

ブランニュー(門松さん)は、「少佐」ですからは佐官クラスの兵士。

花道登場のシャイン(喜猿さん)は「軍曹」ですから 下士官となります

本来元帥は、大将を称える称号なのですが、
地位的には最高司令官と云うような立場になっております。

その下におおまかですが 
大将 中将 少将、と云う「将」官クラス。
大佐 中佐 少佐、と云う「佐」官クラス、
大尉 中尉 少尉、と云う「尉」官クラス

その下が曹長 軍曹 伍長の下士官 その下が兵卒となります。

現在の自衛隊でも将、佐、尉と云う位は使われております。


この位付け、国や軍律によっても多少の官位が入って来ますので
どこの国も同じと云う訳ではありませんが、
世界中の軍隊 だいたい同じ位置づけです。 



では、将 佐 尉 と云うのはどういう意味を持つのでしょうか?

「俊寛」に登場する丹波成経は少将、小野小町を愛したのは深草の少将。


ここからは 私は少し専門外になりますので ネットで調べたり、
専門分野の家人に聞いたりしながら 書いておりますが、
もし もっと専門の方が見られたら 
間違えているかも知れません

しかし、必死に噛み砕きまして 出来るだけ 簡単にわかりやすくと 
書いた結果ですので、大目に見てくださいね(笑)


もともと、この官位の考え方は 7世紀後半から始まります。
四等官と云いまして、上から「かみ」「すけ」「じょう」「さかん」

いろいろな役所にこの 4つの階級がございました。


歌舞伎にもよく出てまいりますので あれ?と思った方もおられますか?

大岡越前「守」忠相、吉良上野「介」
これは地方の[国]に対して使われた
「かみ・すけ・じょう・さかん」=「守・介・掾・目」 


浅野内匠「頭」長矩、大石内蔵「助」良雄
これも[寮]という役所の中での四等官
「かみ・すけ・じょう・さかん」=「頭・助・允・属」です。


もっとも、江戸時代には形骸化して参りますが・・・

内匠寮の長官が「内匠頭」で内蔵寮の次官が「内蔵助」と云うわけです。


他にもいろいろございますね。〇〇のかみ、〇〇のすけ
去年の『真田丸』の登場人物では

真田昌幸が「安房守」、信之が「伊豆守」、信繁が「左衛門佐」
猿之助さんの武田信玄が「大膳大夫」
(読み方はだいぶ ですが、大膳職の「かみ」です)

[職]という役所では「大夫・亮・進・属」です。



さて、ここで肝心の「大将」「少佐」ですが、これがちょっとややこしい。

と云いますのは、これらの役職はもともと 律令で最初に定められたものではなく、
その後に 付け足された役所の中での 官位だそうです。


[近衛府]の長官が「大将」、次官が「中将・少将」、三等官が「将監」、四等官が「将曹」

[検非違使]の長官が「別当」、次官が「佐」、三等官が「尉」、四等官が「志」

[鎮守府]の長官が「将軍」その下の地位が「軍監」そして「軍曹」


なんだか、芝居の中に見たものがたくさんありますね。


そこから、明治維新後に 新しく政府が作られ、様々な役所が 再編される過程で、
同じように 四等官が作られたのですが、律令の原則からは 外れた形で
新しい四等官が作られたみたいです。


新しく作られたのが 「将・佐・尉・曹」

わかりやすい所だけを 取り出したような気も致しますが・・・(笑)


それぞれに細かく分かれておりまして
「大将・中将・少将」「大佐・中佐・少佐」「大尉・中尉・少尉」「曹長・軍曹・伍長」

おおまかには この流れで 現在にも さらにはワンピースの世界にも続いてます。


さて、難しい話が続きましたが これで今日のブログの 冒頭に戻って頂き、
それぞれの お役の方の顔を思い浮かべながら そんな感じなんだ~と
思って頂けたらと思います。


私自身、図解しながら、説明を受けながら聞いて書きましたが
理解してるとは言い難いです(笑)

まさに パニックじゃ~❗です。
ですが、今まで気になっていたことが、いくつか氷解。

調べている途中で感じましたが、思いの外 奈良時代からの官位、
歌舞伎の中に出てきているということ。


読み方は「かみ」でも、「守」だったり、「頭」だったり。

なるほど。


皆様も 今後見られた時に 「かみ」とか「すけ」と出て来たら、どんな漢字かな?
と調べてみてください。