おもだかや一門 二代目猿翁 四代目猿之助 九代目中車 五代目團子の、
襲名が披露されたのが2012年6月の新橋演舞場でした。

映画やテレビで活躍された香川照之さんが 歌舞伎に飛び込んでこられ
大いに話題になりましたね。

もう5年も前になります。


この時、中車さんの襲名披露狂言が『小栗栖の長兵衛』
正直に申しまして、この初演の時の中車さん なんとなくぎこちなく
やはり歌舞伎のお芝居は、まだ荷が重いのでは・・・。と
誰もが感じたかもしれません

また私たちとの 呼吸や息も お互いに探り探り。
双方気を使いながらの演技であったのではないかと、思います。


ですが、大阪松竹座、名古屋御園座、博多座 巡業公演と回を重ねるごとに
ご自分のものにされ、今では中車さんの演目として代表作となりました。


さらに、その他にも『一本刀土俵入り』の駒形茂兵衛、
『ぢいさんばあさん』の美濃部伊織「修禅寺物語』の夜叉王、等々。

あれよあれよと云う間に、ご自分の代表作が増えて参りました。
さすが、猿翁旦那と浜木綿子さんの血筋と、感心せざるを得ません


今回も、海老蔵さんと堂々と渡り合う『盲長屋梅加賀鳶』の日蔭町松蔵。
『駄右衛門花御所異聞』では、家老の玉島逸当と細川勝元。

『加賀鳶』の松蔵では、質見世での海老蔵さんの按摩道玄との
丁々発止のやり取りは、お客様の喝采を浴びております。

なんか、團十郎丈と猿翁丈と云う大きな影が、どこかに漂う場面。


テレビや映画ではそちらのお芝居、歌舞伎ではきちんと歌舞伎のお芝居をされる
中車さんはやはり凄い方です。


香川照之=市川中車 ? ? ?


時々テレビで見ていてNHKの『昆虫すごいぜ』や
某防虫剤スプレーのCMの子供。

さらにドラマの『半沢直樹』や『小さな巨人』の香川さん
この人 本当に一緒に舞台に出てる私の知っている中車さん? 
と 疑ってしまいます(笑)

それだけ色んな顔とお芝居の幅をお持ちになり 私たちにはとても優しい中車さん


先日まで某サイトで、お母様の浜木綿子さんの手記が
30回にわたって連載されておりました。

読ませて頂いて、私の知らない時代もあり 知っている時代では
「そうそう、この時は・・・。」などと 思いに耽っておりました。

中でもお稽古場で、猿翁旦那と浜木綿子さんの再会の時は、
私もその横に居りましたので とりわけ感慨深いですね。


色んな事を乗り越えて来られた中車さん

今日の写真は『加賀鳶』の勢揃い前の中車さんの松蔵です。

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私は歌舞伎の世界の中車さんしか存じ上げませんが、
一度『昆虫すごいぜ』や、ドラマの撮影現場などの
香川照之さんとしての お仕事場も拝見させて頂きたいものです。