博多座、2月花形歌舞伎 昼の部の『艶姿澤瀉祭』
上演時間、午後2時10分から午後3時までのおよそ50分間。


正確には昼の部の『男の花道』が終わってからなので、この少し前の
休憩時間を挟んで 博多座の楽屋の、ほとんどの出演者とスタッフは
戦闘状態に突入致します。(笑)

『艶姿澤瀉祭』が開演するにあたって 3時のフィナーレまで、
一旦幕が開くと舞台はノン・ストップで進んで参ります。


私たちも開演前に女形のお化粧を終え 衣裳を着る準備を致します。

ですが、衣裳さんは全員で8人。

猿之助さんの早拵えや、巳之助さんと隼人さんの龍虎の大口袴や 
長袴などの 大きな歌舞伎の拵え、さらに16人の芸者姿の女形、
その後の5人鷺娘などの 引き抜き 等々。

次から次へと衣裳替えがありますので、8人の衣裳さんたちは舞台袖担当や
各楽屋担当で、各自 大わらわでの衣裳着せとなります。


私たちも順番に衣裳を着た後、かつらをつけるために これも順番に
床山さんへ向かいます。

床山さんでもこれだけのかつらが 並んでおります。

イメージ 1


奥にこれだけ・・・。そして廊下に・・・。

イメージ 2


床山さんは立ち役系と、女形系では会社が違います。 
今月 女形の床山さんは4人。

床山さんでもひとが足りず、拵えのできた人から順番に 
頭を付けに行く訳です。

こんな風に、芸者のかつらが並んでおります。

イメージ 3


お芝居と、この『艶姿澤瀉祭』で 今回使われる女形のかつらの枚数は、
およそ90枚越え。 

これは、歌舞伎座でもそんなに出ないそうです。


『艶姿澤瀉祭』だけでも 16人の芸者と16人の阿国歌舞伎の女で32枚。
それ以外に、猿之助さんの阿国や5人鷺娘 等々の女形がありますので 
この演目だけで40枚近くのかつらが使われている訳です。

そして昼夜のお芝居で25枚ずつくらいの女形のかつら、
これを毎日4人で 何枚かずつ手入れをしても相当な仕事量となりますね。


これプラス 立ち役のかつらですから、今回使用しているかつらの枚数は
全部で200枚前後 

半端な数ではありません 
歌舞伎座で使用する通常のかつらの三倍以上だそうです。


芸者のみんなが、芸者のかつらを被り終えると 
今度はフィナーレの 阿国歌舞伎のかつらが並べられます。

イメージ 4


フィナーレが終わると こんどはこれだけのかつらが 
一度に舞台から返って来る訳です。

出演者のみんなは個人的に かつらを脱ぎますが
受け取る方は これまた、大仕事!(笑)



昼の部 とりあえず『艶姿澤瀉祭』が 終わりますと
出演者 スタッフ ドッと疲れが出て参りますが 

まずは一息・・。の 息つく暇もなく 今度は1時間後には夜の部が始まりますので、
出演者は急いでお化粧を落とし 今度は夜の準備となります。

1時間の短い事・・・(笑)

このような自分自身と楽屋と舞台での戦闘を 毎日繰り返しております。

楽屋は一生懸命!舞台では表情を出さずに優雅に・・・。(笑)

毎日、舞台と楽屋は戦場と化しております。(笑)