昨日の『今、一太刀(赤穂浪人傳)』とても素晴らしいお芝居でした。


これからご覧になられる方は 以降は読まれない方がよいかと・・・
ネタバレと云うほどではございませんが 知らない状態で見た方が
いい事もありますので ご注意ください。。




昨今『忠臣蔵』関連のお芝居が少ない中、ミニシアターで
王道の『忠臣蔵』を扱った勇気 石橋直也君の作・演出 
それに答えた出演者の皆さんの熱気にあふれた舞台でした。

大作の『忠臣蔵』を違った視点から描いておりました。 

大石内蔵助の嫡子 大石主税から見た浪士たちへの目線 行動。

タイムワープしたような、あえて時間を遡ったり 逆に早く進めたり・・・
ここにいつもの直也ワールドがあるような感じでしたが、そこはやはり
お芝居の大物の『忠臣蔵』

まあ、細かい所では 色々と気になることもありましたが・・・

お芝居は 吉良上野介こそ、登場しませんでしたが、
回想の場面として刃傷を描き、赤穂の藩士たちが苦悩する場面、
いろいろと『忠臣蔵』のエピソードを 織り交ぜながらの上演時間、
2幕でおよそ3時間(休憩を含む)は うまくコンパクトに仕上げたと思います。



それでいて10・Quatre の見せ場でもある大立ち回りも
踏んだんに取り入れられており、討ち入りまでのストーリーも
飽きさせません 2次元の舞台で時空を超えた3次元 4次元演出は
どこか、スーパー歌舞伎に似ているかも?(笑)

それに女性の人も、男のお役(浪士の何人か)として登場する人もいれば、
そのまま 女のお役の人も居て、これも面白い女性の使い方ですね。(笑)

討ち入りの時のこの女性たちの義士の立ち回りが とてもうまくて
思わず驚かされ 唸りました(笑)

ことに、ミニシアターの狭い舞台空間で 槍を鮮やかにこなした
義士(女性)の大立ち回りには大アッパレ!(笑)

ただ、時代劇とはいえ衣裳は裃姿や武士の袴姿、町人の着流し等で、
それなりの時代は反映しておりましたが、かつらを用いず、
女性陣に至るまで全員、自頭でした。


長い髪の人は後ろで結んで 茶筅髷のように見せたり 男性陣では、
今風の恋愛ものに出てきそうな髪型だったり サラリーマン風であったり
しましたので、私としては少し戸惑い 違和感はございました。

ですが、討ち入り姿は、陣鉢巻きで揃えて お芝居としては全体的に
うまくまとめ上げ、いつもの年末に見られた『忠臣蔵』でした。(笑)


題名の『今・一太刀』は、浅野内匠頭が松の廊下で、吉良上野介に
刃傷に及んだ時 取り押さえられ「武士の情け、今一太刀」と叫んだことに
由来しており、大石内蔵助が赤穂義士として討ち入りの際に 
この台詞を繰り返すのがキーワードとなっております。

いずれにしても出演者の皆さま、本当にお疲れさまでした。

私が演出させて頂いたところは、みな一生懸命 私の言葉を
守ってくれており とてもうれしく思いました。

そして石橋直也君 入院中の演出 大変だったでしょう?
少しゆっくり 休んでリハビリに頑張ってください。(笑)