今月の歌舞伎座の私の出番は『加賀鳶』だけですので、どうしても
偏りがちのブログになってしまいます事は、お許しください。
偏りがちのブログになってしまいます事は、お許しください。
先日、ご紹介しました「いろは48組」の町火消と
加賀鳶の大名火消との違い。
加賀鳶の大名火消との違い。
着ているものや髷の形にも顕著にそれが表れております。
モデルとして一門の笑三さんにお願いを致しました。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190630/11/enzaburou/c9/c6/j/o0249037714486084743.jpg?caw=800)
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190630/11/enzaburou/7c/ca/j/o0300040014486084749.jpg?caw=800)
柄は、雲に稲妻。
町火消は藍染の胸当て股引に、半纏がその組の文字一字が
入ったものなどですから それに比べればかなり派手ですよね。
入ったものなどですから それに比べればかなり派手ですよね。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190630/11/enzaburou/56/95/j/o0284025214486084756.jpg?caw=800)
髷も町人髷ではなく 歌舞伎の市川ご宗家が口上の時に使われる
「まさかり」と呼ばれる独特の髷です。
「まさかり」と呼ばれる独特の髷です。
これは加賀百万石の御紋の表紋が「梅鉢」そして替え紋が「丸に斧(おの)」
で あるところから 鉞(まさかり)を用いて威勢のいいことを
表していると思われます。
で あるところから 鉞(まさかり)を用いて威勢のいいことを
表していると思われます。
斧と鉞は 用途に応じて微妙に違いますが、二つを合わせて「ふえつ」と
呼びますね。
呼びますね。
寸法的には大きな鉞の方を用いて 町火消なぞには負けないぞ!
などと云う決意の表れでしょうか?(笑)
などと云う決意の表れでしょうか?(笑)
普段でもこの髷をしていたみたいです。
その証拠に日蔭町の松蔵(梅玉丈)が 道玄(幸四郎丈)を
やり込めるために質店の伊勢屋を訪れた時も
この髷に羽織の着流しですよね(笑)
やり込めるために質店の伊勢屋を訪れた時も
この髷に羽織の着流しですよね(笑)
松蔵と梅吉(幸四郎丈の二役)は兄弟分。
ですが、台詞の中で「さすがは年かさ 松兄い!」と云っておりますので、
松蔵のほうが上でしょうか?(笑)
松蔵のほうが上でしょうか?(笑)
そして、火消しの若い者をある人数にまとめて その上に立つ
小頭(こがしら)以上から 革羽織を着ることが許されます。
小頭(こがしら)以上から 革羽織を着ることが許されます。
小頭たちは革羽織で 松蔵、梅吉の頭(かしら)連は、緑の革羽織。
写真のモデルは、男女蔵さんにお願いを致しました。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190630/11/enzaburou/ea/f5/j/o0225040014486084763.jpg?caw=800)
お役は金助町兼五郎。
革羽織は燃えにくいという特徴がございますが、町火消は木綿の半纏ですから、
ここでも ある意味 格差を強調致しておりますね。
ここでも ある意味 格差を強調致しておりますね。
この革羽織、舞台上でたたむ必要がございます。
すっと、何気なく、すばやく そして粋にたためるのが 当たり前。
すっと、何気なく、すばやく そして粋にたためるのが 当たり前。
鳶としては当たり前なのですが 演じております役者にとっては難関。
私もこの羽織をたたんだこともありますが いかに粋に格好良く見せるか
苦心したことがございます。
苦心したことがございます。
そして町火消の「いろは48組」に対抗して
胸には「鉞(まさかり)組」の文字が・・・。
胸には「鉞(まさかり)組」の文字が・・・。
色々面白いですね。
実際に見てみたいです。
実際に見てみたいです。
この時代にタイムスリップして、いろいろと取材してみたいですね(笑)
男女蔵さん、笑三さん、ご協力 ありがとうございました。